今回は東京都や神奈川県で営業展開している地方銀行「きらぼし銀行」のパーソナルカードローンについて詳しく解説します。
パーソナルカードローンの金利や限度額について、また利用できる人が住んでいる地域は限定されるのかなど、申し込み時に気を付けたい条件についてもお伝えしていきたいと思います。

きらぼし銀行のカードローンの概要
まず、パーソナルカードローンの金利や限度額、そして申し込める人の条件から詳しく見ていきましょう。
パーソナルカードローンの基本スペック
パーソナルカードローンの金利と限度額は以下のとおりです。
一般的な銀行カードローンの上限金利は14~15%のところがほとんどですが、きらぼし銀行のパーソナルカードローンの上限金利は「9.80%」ですので、他行と比較しても低金利で利用できることがわかります。
ただ、一方で限度額は最高限度額でも100万円までとなっています。
年収が高く「少なくとも限度額は300万円以上欲しい」という高収入者の方にとっては、不向きなローンといえます。
金利と限度額
限度額 | 30万円、50万円、100万円 |
---|---|
金利 | 年7.80~9.80%(初回契約時は9.80%) |
きらぼし銀行カードローンの審査基準
つぎに、きらぼし銀行パーソナルカードローンに申し込める人の条件や、審査基準についても詳しく見ていきます。
利用できる人の条件
以下は、きらぼし銀行パーソナルカードローンに申し込める人の条件を表にしたものです。
これらの条件を見ると、きらぼし銀行パーソナルカードローンの申し込みにあたっては最低年収の条件があったり「店頭契約が必要」など、カードローンのなかでは比較的厳しい条件が設定されていることがわかります。
さきほどもお伝えしたとおり、パーソナルカードローンの金利は上限金利でも9.80%と非常に低くなっていますが、金利が低いカードローンほど審査基準は厳しくなります。
基本条件
以下条件にあてはまる人
- 申し込み時の年齢が満20歳以上、満60歳以下
- 日本国籍がある、または永住権があること
- 安定した収入が見込まれ、租税公課の滞納がないこと
- きらぼし信用保証株式会社の保証が受けられること
- 勤続(営業)年数が1年以上であること
収入条件
利用限度額に応じ、前年度年収が下記に設定した額を超えていることが条件
給与所得者の場合 | 融資限度額…30万円、50万円、100万円の場合は「年収150万円以上」 |
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個人事業主の場合 | 融資限度額…30万円、50万円、100万円の場合は「年収100万円以上」 |
(注)年収は、給与所得者の場合は税込年収、個人事業者の場合は申告所得
基準年収に満たない場合には、専従者給与(青色申告)または専従者控除(白色申告)を加算することも可能
保証会社・保証人
保証人は不要
きらぼし信用保証の保証が必要
申し込める人の居住エリア きらぼし銀行での店頭契約が必要なため、東京都か神奈川県に居住している、または勤務先があることが条件となる
※パーソナルカードローンは、旧東京都民銀行の店舗でのみ申し込みが可能
申し込みできる人の地域は限定されている?
きらぼし銀行の公式サイトを見ても、パーソナルカードローンの申し込み条件として「東京都や神奈川県に住んでいること」という表現はどこにもありません。
ただ、上記の「利用できる人の条件」のところでも触れましたが、パーソナルカードローンの契約手続きにおいては、かならず店頭での契約が必要となります。
さらにカードローンの契約時にはきらぼし銀行の口座を作ることが必要となってきますので、必然的にきらぼし銀行の営業エリア内に住んでいる、または勤務先が店舗の近くにあることが申し込み条件となります。
この点で言えば、大手銀行のカードローンなどは全国どこに住んでいても申し込みができますので、きらぼし銀行のパーソナルカードローンに申し込める人はかなり限られてくると言えます。
雇用形態は審査に影響する?
パーソナルカードローンの利用条件には「パートやアルバイトでも申し込み可能」という文言はどこにもありません。
ただし「安定した収入があり、年収が150万円以上(給与所得者の場合)あれば申し込める」となっていますので、パートやアルバイトでも毎月決まった給料があり年収が規定以上あれば審査通過する可能性は十分にあります。
年収が少なくても審査にとおる?
カードローンの審査でもっとも重要視されるのは、年収の多さではなく「毎月の給料が安定しているかどうか?」という点です。
パートやアルバイトをしている人のなかには「自分は非正規雇用者なので、カードローンの審査に落ちてしまうのでは?」と思う方がいますが、非正規雇用者でも勤続年数が1年以上あれば審査には特に問題ありません。
ただ、正社員の人とパートやアルバイトをしている人を比較した場合は、どうしても正社員の人の方が審査通過率が高いのは事実です。
審査でチェックされる4項目
パーソナルカードローンの審査では、基本的な審査をきらぼし銀行がおこない、利用者の信用調査などは保証会社である「きらぼし信用保証株式会社」が実施します。
では、きらぼし信用保証株式会社は審査でどのような点をチェックするのか、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。
年収
この点は先ほどの繰り返しとなりますが、きらぼし銀行パーソナルカードローンでは給与所得者の場合「年収が150万円以上あるかどうか」が厳しくチェックされます。
なお、店頭契約をする際には必ず収入証明書を持参する必要があります。
他社ローンの延滞
きらぼし信用保証株式会社は以下の信用情報機関に登録しており、パーソナルカードローンに申し込むとこれらの信用情報機関に利用者の情報が照会されます。
【きらぼし信用保証株式会社が加盟している信用情報機関】
- 全国銀行個人信用情報センター
- 株式会社シー・アイ・シー
また上記の信用情報機関は、もうひとつの信用情報機関であるJICCと情報連携をしていますので、過去にクレジットカードやカードローン、または一般的なローンなどで延滞事故を発生させているような人は審査に落ちてしまいます。
「1年に数回程度、1~2日の延滞を発生させてしてしまった…」という程度なら誰にでも起こりうることですが、ローンの返済を3ヶ月以上延滞したことがある場合は、確実に審査落ちしてしまいます。
雇用の安定性と在籍確認
何度もお伝えしているとおり、パーソナルカードローンの審査では「利用者の収入が安定しているか?」という点が問われます。
そのため、パーソナルカードローンは勤続年数が1年以上ないと申し込めませんし、審査の途中では勤務先に在籍確認がはいり、申告した勤務先に本当に勤めているかどうかも確認されます。
勤務先への在籍確認では銀行名や保証会社の名前は明かされず、個人名で電話がかかってきます。
さらに「カードローンの利用に関して」などという用件を伝えられることもありません。
ただ、消費者金融などのなかには健康保険証や収入証明書類のみで「電話での在籍確認がない」というカードローンもあるなか、在籍確認の電話がはいる可能性があるパーソナルカードローンは、少々審査通過のハードルが高いと言えるでしょう。
申し込み内容の正確さ
パーソナルカードローンに申し込む際には、利用者の本人情報はもちろん勤務先の情報や、他社借り入れ額などの詳しい情報を申告する必要があります。
これらの内容を正確に、そして正直に申告することがとても重要ですが、申し込み内容に記入した内容と提出する本人確認書類や収入証明書類との情報が合致しているかどうかも厳しくチェックされます。
たとえば、申し込み書に記入した住所と、本人確認書類に記載されている住所が異なる場合や、勤務先として申告した会社名と収入証明書に書かれている会社名が違う場合などは、審査に時間がかかってしまいます。
また、他社借り入れ件数や借り入れ額などについては、信用情報機関での調査で本当のことがわかってしまいますので、嘘はつかないようにしましょう。
即日審査と即日融資は不可
つぎにパーソナルカードローンの申し込み手続きの流れと、即日審査・即日融資が可能かどうかについても見ていきましょう。
審査までの流れ
パーソナルカードローンの申し込みの手続きの流れは、以下のとおりです。
いまやインターネットからの手続きで契約まで完結できるカードローンが多いなか、「ファックスでの申し込み」に限定され、さらに店頭契約が必要となると平日に時間が取れないサラリーマンには不向きかもしれません。
申し込み
- きらぼし銀行公式サイトから、申し込み用のFAX用紙をダウンロードする
- 「個人情報の取扱いに関する同意書」を確認し、同意のうえ申し込む
- 運転免許証(表裏)のコピー、または健康保険証(表裏)+公共料金の領収書のコピーを一緒にファックスする
審査
- きらぼし銀行と、きらぼし信用保証株式会社で審査がおこなわれる
- 審査の結果は申し込みから数日後に電話で伝えられる
契約
店頭窓口で契約する
※審査結果が来てから1ヶ月以内に、取り引き予定の支店に行くことが必要
※契約時に必要な書類
本人確認資料
(運転免許証、パスポート、住民票,印鑑証明書、健康保険証+公共料金の領収証または請求書のいずれか)
前年の所得を証明する書類(住民税決定通知書、確定申告書控(税務署受付印のあるもの)の写し、納税証明書、源泉徴収票のいずれか)
カードの発送 専用のローンカードが郵送され、カード到着後ATMからのキャッシングが可能となる
融資までの最短日数
パーソナルカードローンは申し込みから審査回答まで数日かかりますし、さらに契約してからローンカードが到着するまでは1週間前後かかります。
したがって結局のところ、申し込みから融資までは最長2週間程度かかると想定したほうがいいでしょう。
きらぼし銀行パーソナルカードローンは、たしかに金利が低いというメリットがありますが、急ぎで資金を用意したい人にとっては不向きかもしれません。
借り入れと返済方法
パーソナルカードローンでの借り入れは、自宅に届いたローンカードでATMからキャッシングする方法のみとなります。
消費者金融や一部の銀行カードローンで利用できる「振り込みキャッシング」は利用できませんので注意が必要です。
また、返済については毎月7日に指定の預金口座から自動引き落としで返済する流れとなります。
毎月の最少返済金額は以下の表のとおりですが、毎月の借り入れ残高によって最少返済額が決まる仕組みとなっています。
また、毎月の口座引き落としとは別に、ローンカードでATMから随時返済をすることも可能です。
カードローンを上手に利用し早めに完済するためには、随時返済を積極的におこない元金を減らすことがポイントとなってきます。
他行の銀行カードローンや消費者金融カードローンではインターネットを利用した随時返済が可能ですが、きらぼし銀行パーソナルカードローンは「ATMからの随時返済のみ」となっていますので、少し利便性は悪いかもしれません。
前月約定返済日の最終残高 | 返済額 |
---|---|
50万円以下 | 1万円 |
50万円超100万円以下 | 2万円 |
最終残高が100万円を超えた場合の毎月返済額は3万円 |
もし審査に落ちたらどうする?
上記の申し込める人の条件や、審査で見られるチェックポイントをおさえたとしても、きらぼし銀行カードローンの審査に落ちることはあり得ます。
では、残念ながらパーソナルカードローンの審査に落ちてしまった場合、どのように対処すればいいのか…という点についても詳しく見ていきます。
まず審査落ちの原因を調べよう
パーソナルカードローン審査に落ちた場合、銀行からは「今回のカードローンの契約は見送らせていただきます」という連絡が来るだけで、審査落ちの原因は教えてもらえません。
ただ、審査落ちの原因をしっかり理解したうえで、つぎのカードローンに申し込まないと何度も審査落ちが続くことになります。
「カードローンの審査に落ちた」ということは、返済能力が乏しいと判断されたか、信用情報機関にネガティブの情報が残っている可能性があります。
それらを確認するためには、信用情報機関の本人情報開示サービスを利用するのが便利です。
手数料は1,000円かかりますが、自分の情報がどのように登録されているのかすべてわかりますので、今後のカードローン審査の参考にもなります。
万一信用情報機関にネガティブな情報が残っている場合でも、ほとんどの情報は5年間で消えますので、登録情報が更新されてから再度ほかのカードローンに申し込むことをおすすめします。
きらぼし銀行のローンに再度申し込むのはやめよう
審査に落ちると、信用情報機関には履歴が残ってしまいますが、申し込み後6ヶ月でその情報は消えます。
しかし、信用情報機関の情報は消えても、きらぼし銀行やきらぼし信用保証株式会社には、一定期間情報が残る可能性があります。
きらぼし銀行や保証会社にネガティブな情報が残っていると、パーソナルカードローンの審査に落ちたあとで、さらにきらぼし銀行が取り扱う別のローンに申し込んでも審査落ちは目に見えています。
したがって、すぐにカードローンの利用が必要なら、ほかの銀行カードローンに申し込むか、消費者金融カードローンを検討してみましょう。
※参考までに、パーソナルカードローンの申し込みサイトに記載されている文言を抜粋しておきます。
この文を見ると、カードローンの契約が不成立となった場合でも、銀行や保証会社に一定期間情報が残ることがわかります。
第8条(本契約が不成立の場合)
(1)私は、本申込が不成立の場合であっても、本申込をした事実が第1条および第
4条にもとづき、それ以外に利用されないことを条件に、当該契約の不成立の
理由の如何を問わず一定期間利用されることに同意します。
審査にとおりやすいカードローン
最後に、きらぼし銀行パーソナルカードローンよりも金利は高いものの、審査通過の可能性が最も高いカードローンをいくつかご紹介しておきます。
アコム
審査までのスピードがはやく、さらに利用中も利便性が高いカードローンといえば、大手消費者金融のアコムがおすすめです。
きらぼし銀行パーソナルカードローンの上限金利は9.80%で、アコムのカードローンの上限金利は18.0%ですから、金利面で言えばきらぼし銀行パーソナルカードローンの方に軍配が上がります。
しかし、アコムの場合はカードローンの契約が初めての人に対し30日間の無利息キャッシングのサービスがありますので「来月のボーナス時まで10万円を借りてすぐに返済したい」などという人にとっては最適なカードローンといえます。
また、東京都や神奈川県に住んでいなくても、全国各地にあるアコムの無人契約機で申し込めば約1時間後にはローンカードを手にすることができます。
さらに楽天銀行に口座があれば、土日や夜間でも約1分で振り込みキャッシングが利用できますので「とにかく急ぎでお金が必要」という人にとっても最適なカードローンといえます。

プロミス
アプリローンの利用が可能なプロミスもおすすめです。
きらぼし銀行パーソナルカードローンの場合、自宅にローンカードが届くまで1週間程度待つ必要がありますが、プロミスのアプリローンならカードを発行してもらわなくても、アプリを入れたスマホひとつでセブン銀行ATMからキャッシングができます。
「家族にカードローンの利用は内緒にしたい」という人にとってはとてもおすすめのローンといえます。
また、プロミスの場合は三井住友VISAプリペイドカードに融資金額をチャージしてもらうことも可能ですので「キャッシング用のカードを持ち歩かずに、スマートにカードローンを利用したい」という方にとってもおすすめです。

きらぼし銀行カードローンのまとめ
きらぼし銀行カードローンパーソナルカードローンは上限金利が10%未満で、初回契約時からこの金利が適用されますので、銀行カードローンの中でも特に低金利で利用できるおすすめのカードローンといえます。
しかし、今回の記事でもお伝えしたとおり店頭契約が必要という点や、東京都や神奈川県に住んでいることが条件となるなど、申し込める人の条件に制限がかかってしまうのが難点です。
カードローンを検討する場合は限度額や金利だけにとらわれるのではなく、審査スピードや契約後の利便性についてもよくチェックしておく必要があります。
場合によっては、銀行カードローンよりも消費者金融カードローンを利用したほうが賢明といえるケースもありますので、自分がカードローンに求める条件を見極めて慎重に検討したいものですね。
