今回ご紹介するのは、『リバースモーゲージ』です。
1980年代に導入され始めた金融用語で、比較的新しい仕組みです。
そんな『リバースモーゲージ』の仕組みや、メリットデメリット、注意しておきたいリスクなどをわかりやく解説します。
『リースバック』についても触れます。
ぜひ参考にしてみてください。

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老後に不安のある方に
今や90歳以上の長寿も珍しくない時代。
介護費用や入院費用、衣食住にかかる支出を考えると、老後に必要なお金は年金だけでは足りない恐れがあります。
こういった老後の資金不足を補うための1つの策として設けられているのが、『リバースモーゲージ』という金融商品です。
この『リバースモーゲージ』、一体どういう仕組みなのでしょうか。
リバースモーゲージとは
『リバースモーゲージ』とは、自宅不動産を担保として、金融機関から融資を受けることができる高齢者向けの金融商品のことです。
借りたお金は、死亡時または契約満期時に自宅不動産を売却するという形で一括返済する仕組みになっています。
自分の住み慣れた家で暮らしながら、老後の生活に不安を抱くこと無く融資を受けることができます。
融資の使い道は基本的に自由で、好きなように活用できるという魅力もあります。
また、返済は死亡時または契約満期時になるので、それまでは返済の心配をする必要もありません。
自宅を所有しているだけではお金は発生しませんが、『リバースモーゲージ』を活用すれば現金を手元に生み出すことができます。
住宅ローンとの違い
『住宅ローン』と『リバースモーゲージ』には、一体どのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの意味を確認してみましょう。
- 住宅ローン:購入する自宅不動産を担保にして、購入資金を借りる不動産担保ローンのこと。
- リバースモーゲージ:自宅不動産を担保にして、お金を借りる不動産担保ローンのこと。
意味だけを見比べると、あまり違いがないようにみえます。
どちらも自宅を担保にするローンという共通点がありますが、大きく違う点が1つあります。
それは、ローン残高の増減が異なる、という点です。
住宅ローンとリバースモーゲージ
『住宅ローン』は、最初に家を手にし、その分を毎月返済していくものです。
そのため、月日が経てば経つほどローン残高は減少していきます。
対して『リバースモーゲージ』は、毎月お金を借り、最終的に家を手放すことで返済します。
つまり、月日が経てば経つほどローン残高は増大していくのです。
徐々にローン残高が減っていく『住宅ローン』と、逆に増大していく『リバースモーゲージ』。
この違いがあるからこそ、リバース(逆の)モーゲージ(ローン)という名前がつけられているのです。
3つのリバースモーゲージ
『リバースモーゲージ』において、融資のお金を受け取る方法は3つあります。
- 年金タイプ
- 一括融資タイプ
- 随時融資タイプ
1つずつみていきましょう。
年金タイプ
年金と同じく、毎月あるいは毎年決まった金額を借りる方式です。
毎月の生活資金などにする場合は、この方式が合っているといえます。
一括融資タイプ
融資可能な金額の範囲内で、必要な金額を一括で借りる方式です。
住んでいる家を思い切ってバリアフリーにリフォームしたり、車を購入するなど、大きな買い物をする場合にはこの方式が有効です。
随時融資タイプ
決められた金額の範囲内で、必要になった時に好きな金額だけ借りる方式です。
病気や入院など、予想外の出費時の備えとして利用する場合には、この方式がおすすめです。
以上、3つになります。
これらの方式の中から、自分に合ったものを選びます。
借りられる限度額は?
融資を受けられるからと言って、好きなだけ借りられるわけではありません。
最後には返済する必要がある以上、借りられる金額には限度があります。
その限度額は、担保とした自宅不動産によって変わります。
融資をしてくれる金融機関が、担保である自宅不動産を評価し、そのうちの50%程度を上限として限度額を決めます。
もしも自宅不動産の価値が500万円と評価された場合、融資限度額は250万円ということになります。
自宅不動産の価値は毎年見直され、必要に応じて融資限度額は修正されていきます。
リバースモーゲージで借りたお金の返し方
『リバースモーゲージ』で融資された金額の返済方法は、2つあります。
1つ目が、「元本一括返済」という返済方法。
これは、お金を借りた分の利息のみを毎月支払い、契約が終了した時に元本のみ一括返済するという方法になります。
2つ目が、「元利一括返済」という返済方法。
先ほどと違い、毎月の利息を支払う必要はなく、契約が終了した時に元本と利息を一括返済するという方法です。
ただこちらの方法だと、毎月の利息が元本に加えられていくため、複利で元利金が増えていってしまいます。
最終的に、返済総額が高額になってしまうため注意する必要があります。
リバースモーゲージのメリット
自宅を担保に、お金を借りることができる仕組みの『リバースモーゲージ』。
そのメリットを確認していきましょう。
メリット①家に住みながら現金を受け取れる
『リバースモーゲージ』最大のメリットが、自宅に住みながら老後の生活資金を得られるという点です。
返済は、契約者の死後に自宅を売却することで行いますが、契約内容によっては配偶者が引き継ぐことも可能です。
住み慣れた土地や家で暮らし続けたい、これまでの生活を変えたくないと老後思う人は多いものです。
『リバースモーゲージ』を利用すれば、自宅での暮らしを続けながら、ゆとりある老後の生活を送ることができます。
メリット②借りたお金をどう使うかは自由
『リバースモーゲージ』で借りたお金は、基本的に好きなことに使えます。
生活資金にまわすのはもちろん、自宅のリフォーム資金や老人ホームの入居資金にも使えます。
他にも、旅行費や家族の結婚式、趣味など、多種多様な使い方が可能です。
メリット③毎月の返済負担額が少ない
返済は基本的に死亡時・契約満期時に行います。
毎月の返済分は利息分のみとなるため、負担が少ない金融商品です。
メリット④比較的安全に利用できる
『リバースモーゲージ』の融資限度額は、基本的に担保価値の50%です。
低めに設定されているので、自宅を売却した後に債務が残ってしまう事態になりにくいというメリットがあります。
子供に自宅を残すことはできないものの、借入残高と売却分の差額を残すことはできます。
迷惑をかける可能性は低いといえるので、比較的安全に利用できるでしょう。
以上が『リバースモーゲージ』のメリットになります。
リバースモーゲージのデメリット
では、『リバースモーゲージ』のデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
1つずつみていきましょう。
デメリット①死ぬまで融資を受けられるとは限らない
『リバースモーゲージ』は、自宅不動産を担保とし、その評価額で融資限度額が決まります。
よって、あまり自宅不動産の価値が高くなく、融資限度額が低いケースも存在します。
その場合、死ぬよりも前に融資限度額に達してしまい、融資がストップしてしまいます。
年金のように、一生死ぬまで融資を受けられる保証はないのです。
契約の際には、契約終了のタイミングがいつなのか、きちんと確認しておくようにしましょう。
デメリット②定期的な見直しにより融資がストップする可能性がある
『リバースモーゲージ』では、定期的に担保の評価が見直されます。
担保である自宅不動産の評価が、見直された際に落ちてしまう可能性があるのです。
天災等で自宅に何らかの問題が生じた場合、当然評価は見直され、融資がストップされてしまう可能性もあります。
デメリット③子どもと同居している場合利用できない
『リバースモーゲージ』は、契約期間が終了すると自宅不動産を売却するという前提があります。
契約者は、自宅を子供に相続させることはできません。
そのため、基本的に子供と同居している場合には、『リバースモーゲージ』を利用することはできません。
また、夫婦で二人暮らしをしている場合は、同居している配偶者の事前承諾が必要になります。
デメリット④分譲マンションでは利用できない
分譲マンションでは、基本的に『リバースモーゲージ』を利用することができません。
あくまで担保は不動産(土地)であり、それを売却する仕組みだからです。
ただ、可能性は0ではありません。
契約が終了した時に価値を損なう可能性が低いマンションであれば、『リバースモーゲージ』を利用できる可能性はあります。
一戸建ての場合よりは条件が厳しくなるでしょうが、チャレンジするのも有りでしょう。
以上が『リバースモーゲージ』のデメリットになります。
リバースモーゲージのリスクとは
『リバースモーゲージ』は、利用する前に知っておきたいリスクが存在します。
- 金利上昇リスク
- 地価下落リスク
- 長寿リスク
- 相続人リスク
1つずつ確認していきましょう。
金利上昇リスク
『リバースモーゲージ』では、市場と連動して見直される「変動金利タイプ」が一般的です。
そのため、もしも金利が大幅に上昇してしまうと、毎月の返済額が増加したり、借入可能額が減少する可能性があります。
最悪、融資がストップしてしまうこともあり得るの、金利上昇リスクには注意しておきましょう。
地価下落リスク
『リバースモーゲージ』では、自宅不動産の価値をベースとして融資が行われます。
そのため、景気の変動により不動産の価値が下がってしまうと、融資限度額が見直されてしまう可能性があります。
また、見直された際に融資限度額以上の資金を使用していた場合、差額を返済しなければなりません。
地価の下落によって、融資が脅かされるというリスクがあることを踏まえておく必要があります。
長寿リスク
長生きすることもリスクになりかねません。
長生きすればするほど、先程上げた「金利上昇リスク」「地価下落リスク」にさらされる期間が長くなります。
予想外の事態に遭遇しやすくなってしまうのです。
また、契約期間よりも長生きできた場合や、長生きできたために融資可能な額を超えてしまった場合、担保にしていた自宅を失ってしまう可能性もあります。
長生きすることで、自力で生活資金を確保する必要性が出てきてしまうのです。
長寿はめでたいこととはいえ、『リバースモーゲージ』においてはリスクにもなり得るのです。
相続人リスク
『リバースモーゲージ』は、自宅不動産を売却することで返済する金融商品です。
推定相続人などがそのことを理解していないと、利用後にトラブルが起きてしまう可能性があります。
そのため、推定相続人などに、自宅の相続ができないことを事前にきちんと伝えておかなければなりません。
リバースモーゲージ以外に資金を調達する方法は
『リバースモーゲージ』と似た仕組みで、『リースバック』というものがあります。
『リバースモーゲージ』と比べて、年齢制限や同居人の条件などもなく、一戸建て以外も対象となっているため、利用しやすい手段です。
リースバックとは
『リースバック』とは、自宅不動産を売却し現金化、売却後は賃貸として住み続けられるという仕組みのサービスです。
リース料(家賃)を支払う必要はありますが、まとまった資金を得ることができるのが魅力です。
また、一戸建てに限らず、事務所や向上なども対象となっているのが『リバースモーゲージ』と大きく異なります。
また、年齢制限も特にないので、若くても利用することができます。
『リバースモーゲージ』の条件をクリアすることが難しいという方は、『リースバック』を検討してみるのをおすすめします。
おわりに
いかがだったでしょうか。
『リバースモーゲージ』のメリット・デメリットをもう一度おさらいしておきましょう。
【メリット】
- 家に住みながら現金を受け取れる
- 借りたお金をどう使うかは自由
- 毎月の返済負担額が少ない
- 比較的安全に利用できる
【デメリット】
- 死ぬまで融資を受けられるとは限らない
- 定期的な見直しにより融資がストップする可能性がある
- 子どもと同居している場合利用できない
- 分譲マンションでは利用できない
他にも
- 金利上昇リスク
- 地価下落リスク
- 長寿リスク
- 相続人リスク
が存在します。
『リバースモーゲージ』は高齢者にとってありがたいサービスであるのは間違いありません。
ただし、デメリットやリスクもあることをきちんと認識し、慎重に検討することが重要です。
また、自宅を売却するという手段があることも念頭に置いておくと良いでしょう。
老後の生活を充実させるためにも、自分にあった方法で資金を調達するようにしてくださいね。

