今回ご紹介するのは、『残価設定型自動車ローン』の仕組みです。
自動車メーカーもよく売りにしているこのプラン、実際のところはどうなのでしょうか。
メリット・デメリットは勿論、向いている人いない人など、基本の情報をお伝えします。

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残価設定型自動車ローンとは
『残価設定型自動車ローン』という言葉を聞いたことがありますか?
車を購入しようとお店に言ったら、営業スタッフに「残価設定型自動車ローンのほうが、月々の支払いが少なくてお得ですよ」なんてことを言われたことがある人もいるかもしれません。
そもそも『残価』とは、何なのでしょうか。
『残価』って何?
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、『残価』とは、「残存価値」の略。
「残存価値」とは、将来車を買い替えるときに残っている評価額、つまり「下取り価格」のことです。
購入した車を数年後に下取りとして出した場合の価値、それが『残価』です。
残価設定型自動車ローンの仕組み
では、『残価設定型自動車ローン』とはなんなのでしょう。
まず、数年後の買い取り保証額を残価として設定します。
そして、購入したい車両の価格からその残価を引いた金額を分割で支払うタイプのローン、それが『残価設定型自動車ローン』です。
このローンで返済することにより、総額よりも少ない負担で車が購入できることになります。
支払期間が終了した後は、以下の3つの方法から選択することになります。
- 新車に乗り換える
- 残価を支払って乗り続ける
- ディーラーに返却する
『残価設定型自動車ローン』とは、残価を設定することで、月々のお支払額が軽減されるというお得なプランなのです。
メーカーのHPにはなんて書いてある?
『残価設定型自動車ローン』について、各自動車メーカーのHPを見てみましょう。
『両本体価格の一部をあらかじめ残価(=3年後や5年後の予想下取り価格)として据え置き、残りの金額を分割でお支払いいただくプランとなります。通常のクレジットよりも月々の支払い金額が抑えられます。』
(トヨタHPより)
『月々のお支払いをぐっと軽減!3年後、もしくは5年後の下取り価格を予め残価として設定。その分を差し引いて分割でお支払いいただくので、月々のお支払いを格段に軽減できます。』
(スバルHPより)
『あらかじめ数年先のクルマの買取保証額(=残価)を設定し、その額を差し引いた分だけ、分割してお支払いとなります。』
(日産HPより)
『車両本体価格の一部を最終回に残価額として据え置き、残りの金額を分割してお支払いいただくプランです。一般的なクレジットに比べて月々のお支払額が軽減されます。』
(マツダHPより)
『車両本体価格(税抜)の一部をあらかじめ残価として設定し、残りの金額を分割してお支払いいただくクレジットです。車両本体価格(税抜)の一部をあらかじめ残価として最終回に設定しているため、一般的なクレジットよりも毎月のお支払額が低くおさえられます。』
(スズキHPより)
以上のように、普通の金額よりも支払額を軽減できるという強みが押し出されています。
お得に見える『残価設定型自動車ローン』。
一つ、注意しておいてほしい点があります。
『残価設定型自動車ローン』の注意点
購入したい車両の価格からその残価を引いた金額を分割で支払うタイプのローン、それが『残価設定型自動車ローン』だと説明しました。
ここで気を付けておきたいのが、『残価』の行方です。
数年後の下取り価格を残価として差し引いて、残りの金額をローンで払うと考えがちですが、残価は差し引かれているわけではありません。
あくまで分割支払い分から引かれているだけであって、『残価』は最終支払い分に据え置かれているのです。
例を使って、もう少しわかりやすく説明してみます。
残価の行方
例えば、見積もり額が300万円の車を4年36回払いの『残価設定型自動車ローン』で購入するとします。
下取り価格である『残価』は60万円としましょう。
そうすると、300万円から60万円を引いた240万円の36回払いで済むのだと考えてしまうところですが、実際には違います。
実際には、残価の60万円が36回目の最終支払いに据え置かれています。
36回ある支払い回数のうち、35回は240万円を分割した金額を毎月支払っていきます。
そして、最後の36回目には、残価分を支払う必要があります。
その残価分を分割あるいは一括で支払うか、ディーラーに車を返却することで支払うというわけです。
残価分が、車両自体の価格から引かれているわけではないのです。
残価分は、どこかへと消えたわけではなく、最後の支払いへ移ったのだということをきちんと認識しておきましょう。
メリット、デメリットは?
『残価設定型自動車ローン』にはメリットもあればデメリットもあります。
『残価設定型自動車ローン』のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
残価設定型自動車ローンのメリット
『残価設定型自動車ローン』のメリットは3つあります。
メリット①毎月の返済金額が安くなる
『残価』を差し引いた金額でローンを組むため、当然一般的なローンで購入する場合よりも、月々の支払いを安く抑えることができます。
例えば、200万円の車を購入する場合で考えてみましょう。
そのまま一般的なローンで購入しようとすれば、200万円分を分割払いすることになります。
ですが、『残価設定型自動車ローン』を使うとどうなるでしょうか。
もしも残価が50万円だとすれば、200万円から50万円を引いた、150万円分を分割払いすることになります。
当然、『残価設定型自動車ローン』の方が月々の支払いは安く済むわけです。
メリット②下取り価格が保証されている
買取価格が保証されているのも、大きなメリットといえます。
新車で購入したとしても、数年も経てば車両の価値は下がっていくものです。
しかし『残価設定型自動車ローン』では、車を購入した際にあらかじめ下取り価格を決めておくので、一定の買取価格が保証されているのです。
たとえ中古車市場が下火になっていったとしても、下取り価格が下がることはありません。
メリット③3~5年で車を乗り換えられる
『残価設定型自動車ローン』では、設定した期間が満期になった時点で、必ず乗り換えるかどうかの選択が迫られます。
3~5年の設定であれば、短いスパンで新車に乗り換えることができます。
勿論、乗り換えずに車を返却したり、残りの支払額を支払って乗り続けるという選択をすることもできます。
残価設定型自動車ローンのデメリット
では『残価設定型自動車ローン』のデメリットはどんなものがあるのでしょうか。
デメリット①走行距離の制限がある
『残価設定型自動車ローン』で車を購入した場合、走行距離に制限がかかります。
各メーカーによって走行距離の制限は異なるので、よく確認しておきましょう。
例えば月間走行距離1,000㎞以内であるとします。
1日50㎞、通勤や通学で走るとすると、20日も走ると月間走行距離1,000㎞に達してしまう計算になります。
月間走行距離をオーバーしてしまうと、負担金が発生してしまう可能性があるので、注意が必要です。
デメリット②車にキズなどがついてしまえば追加費用が発生する
ローンを返済し終えた最終支払い時に、車にキズやへこみがあれば『残価』、つまり買取価格が下がってしまい、追加請求が発生する可能性があります。
もしも事故を起こして車両が全損なんて事態になってしまえば、返却する車がないため『残価』分の支払いが発生するうえ、ローンも一括返済する必要が出てきます。
短いスパンで車を買い替えられるといっても、3~5年の間に無事故という保証はありません。
慎重に考えて検討しましょう。
デメリット③車を乗り換える際、同じメーカーの車種を選ぶ必要がある
残価分を支払わず、新車に乗り換えをする場合、選択できるのは同じメーカーの車種に限られます。
もしも他のメーカーが良いという場合は、今乗っている車の残りの支払額を完済する必要があります。
そうしたうえで車を売り、他のメーカーで車を買えば乗り換え可能だということです。
デメリット④利息が高くなる
ローンを組むと当然利息がかかります。
『残価設定型自動車ローン』では、残価を差し引いた分だけでなく、残価を含めた元金に利息がかかります。
月々の支払額が少なくなるというメリットの反面、元金が減るスピードも遅いので、最終的には利息が高くなる可能性があります。
月々の支払額は抑えられるものの、しっかり利息はとられているということです。
デメリット⑤カスタマイズできない
『残価設定型自動車ローン』で購入した車はカスタマイズ不可と考えたほうがいいです。
最終的に車を返却する、という選択肢がある以上、購入した状態そのままの車を返却することが基本です。
カスタマイズをしたいと考えている方は注意しておきましょう。
残価設定型自動車ローンはどんな人に向いている?
メリット・デメリットをお伝えしましたが、『残価設定型自動車ローン』に向いているのはどんな人なのでしょうか。
残価設定型自動車ローンに向いている人
- 短いスパンで車を乗り換えたい人
- 車に乗る期間が決まっている人
- 学費や住宅ローンの支払いがあるため、月々の出費をおさえたい人
- 新車を買うためのまとまったお金がない人
- 将来車を売却する予定があり、中古市場で車の価値が下がるのではと心配な人
- 走行距離が平均的、あるいはそれ以下である人
- いつも最新の車に乗っていたい人
上記の方たちは『残価設定型自動車ローン』に向いていると言えます。
先程紹介したメリットを活かしつつ、デメリットがあまり自分とは関係がないという方には、『残価設定型自動車ローン』はおすすめです。
残価設定型自動車ローンに向いていない人
- 長期間同じ車に乗るつもりの人
- 走行距離が多い人
- 残価を最終的に支払う可能性が高い人
上記の方であれば、『残価設定型自動車ローン』に向いているとは言えません。
月々の支払いが安くなるというメリットだけに惹かれていると、逆に損をしてしまう可能性もあるので気を付けておきましょう。
メーカー側のメリット
『残価設定型自動車ローン』は、メーカー側にもメリットがあるからこそ推されているプランと言えます。
ユーザーが『残価設定型自動車ローン』で車両を購入し、3~5年後に車両を引き渡して、改めて別の新車で『残価設定型自動車ローン』を組むという流れができるからです。
新車は売れ、品質の良い中古車も手に入るというメリットがあるのです。
そのメリットを得る代わりに、他のローンと比べて低金利にするなどして、ユーザーを誘導していうわけです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
『残価設定型自動車ローン』は、普通では手が届かないような新車でも購入できるのが大きな魅力です。
ただし、走行距離の制限や利息など、多くのデメリットもあります。
新車の購入時には、冷静に見極めて決断したいものですね。