地震保険は必要?補償内容や加入時のポイントを解説

地震保険は必要?補償内容や加入時のポイントを解説

本ページにはPRリンクが含まれます。当サイトでは、アフィリエイトプログラムを利用し各事業者(アコム/プロミス/アイフルなど)から委託を受け広告収益を得て運営しております。

保険

日本は世界的に見ても地震大国だといわれています。

地震保険に加入していれば建物や家財が地震による損害を受けた際、さまざまな補償がつき安心できます。

そこで今回は、地震保険の必要性、補償内容や加入時のポイントなどについてご紹介します。

地震保険とは?

地震保険は、地震や噴火、それによる津波による火災、損壊、埋没、流失などの被害を補償するための保険で、火災保険に付帯して加入する形態をとっています。

単独での加入はできず、火災保険とセットで契約する必要があります。

損害が大きいため、一般的には民間保険会社が保険責任を負い、政府が再保険として支える公共性の高い保険となっています。

そのため、保険料や補償内容はどの保険会社で契約しても一律であり、選択の際に迷うことはありません。

地震保険の必要性

地震が頻発する日本では、地震保険に加入することが重要です。日本は世界の1%未満の面積ながら、世界の地震の10%が発生しており、超地震大国とされています。

しかし2020年の統計によれば、地震保険の加入率は全体で約68.3%にとどまっているのが現状です。

また都道府県別に見ると、過去に大地震が発生した宮城県の加入率は29.2%、熊本県は43.9%であるのに対し、沖縄県は17.6%と最も低い水準です。

地震保険は公的制度も限られており、被災者生活再建支援制度の支援金は最大で300万円までであり、建物や家財の損害を十分に補填するには不十分と言えます。

以上のことから、地震保険の加入は必要だといえます。

地震保険の補償額と補償内容

地震保険の対象はおもに建物と家財が挙げられます。

建物には、居住用の建物とその建物に付属する門や塀などが含まれます。

家財は、家具やテレビ、冷蔵庫、衣類など、保険の対象となる居住用の建物に収容されている物を指します。

ちなみに地震保険の保険金額は、通常火災保険で加入した保険金額の30〜50%の範囲内で、建物については最大5,000万円、家財については最大1,000万円が上限とされています。

ただし、一部の保険会社では火災保険に「上乗せ特約」を付帯すれば、地震保険による損害を100%全額補償することも可能です。

支払金額は損害状況に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つに区分され、事前に損害割合と補償金額を確認することが重要です。

全損 地震保険金額の100% 家財損害額80%以上
大半損 地震保険金額の60% 家財損害額60%以上80%未満
小半損 地震保険金額の30% 家財損害額30%以上60%未満
一部損 地震保険金額の5% 家財損害額10%以上30%未満

地震保険の補償対象外

以下のものは地震保険の補償対象外となるため注意が必要です。

  • 有価証券(小切手、株券、商品券等)
  • 預貯金証書
  • 自動車
  • 印紙、切手
  • 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨董
  • 工場や事務所などの住居でない建物
  • 故意もしくは重大な過失、または法令違反による損害
  • 地震発生日から10日以上経過後に生じた損害
  • 戦争、内乱などによる損害
  • 地震等の際の紛失・盗難の場合

地震保険の保険料とは

地震保険の保険料は以下の計算式で求められます。

月額保険料 = 保険金額 × 保険料率( ➀基本料率 × ②割引率 × ③長期係数 )

基本料率

基本料率は主に以下も要素によって決まります。

  • 建物の所在地
  • 建物の構造区分

建物の耐火性が高い鉄骨やコンクリート造は、木造などの非耐火性建物に比べて地震保険の保険料が安くなる傾向があります。

太平洋側の地域ほど地震の発生が多く、そのため保険料が相対的に割高になります。

保険会社ごとの保険料の違いはありませんが、地震保険は定期的に見直しが行われ、2022年10月1日以降は全国平均で約0.7%の引き下げが実施されました。

ただし、一部の地域では基本料率が値上げされており、同時に火災保険料も値上げが行われている点に留意が必要です。

割引率

地震保険には、毎月の保険料を安く抑えるための割引が全部で以下の4つあり、それぞれの割引率が異なります。

最大50の保険割引が適用されますが、下記の割引制度は併用できないので注意しなければいけません。

割引の種類 割引の適用条件 割引率
耐震診断割引 耐震診断または耐震改修により、現行耐震基準を満たす場合 10%
建築年割引 1981年(昭和56年)6月1日以降の新築 10%
耐震等級割引 次のいずれかの定める耐震等級を有している場合、住宅性能表示制度の「耐震等級1・2・3」に該当国土交通省の指針に基づく耐震等級に該当しているもの 耐震等級1~等級3…10%~50%
免震建築物割引 住宅性能表示制度の「免震建築物」に該当しているもの 50%

長期係数

長期係数とは、保険期間の長さによって以下のように決まり、最大5年となり長期契約であるほど保険料が割安となります。

保険期間 長期係数
2年 1.9
3年 2.85
4年 3.75
5年 4.7

保険料を削減したい場合、火災保険や地震保険の加入を検討する際に、保険期間を長期に設定できるかどうかも見ておく必要があります。

損害保険料率算出機構の調査によれば、2020年度に契約された地震保険では1年契約が最も多く、次いで5年契約が多かったと報告されています。

また、通販型の商品(インターネットでの申し込みが主流)の方が、店舗よりも保険料が割安になる傾向があるのでぜひ参考にしてみてください。

地震保険の加入時のポイント

地震保険は火災保険とセットでの加入が必要であり、両者の補償範囲には違いがあります。

例えば、同じ火災であっても、地震が原因で起きた場合とそうでない場合では、補償の有無が異なります。

加入者はそれぞれの保険の条件を理解し、リスクに備える必要があります。

地震保険 火災保険
火災 ×
地震・噴火による火災 ×
地震・噴火による津波や洪水 ×
地震・噴火による建物や家財の損壊 ×

上記のように地震や噴火による被害に対する補償は、通常の火災保険では限定的であり、地震保険が必要です。

火災保険では地震による建物の倒壊や火災、津波や高潮による流失などは補償されません。

従って、地震保険を加入することで、これらのリスクに備えられます。

保険料を抑えるためには、自身の住環境やリスクに応じて保険のオプションを選択することが重要です。

例えば、マンションの高層階であれば水害補償は不要かもしれません。

ただし、適切な補償を選ばないと災害時に必要な補償が受けられない可能性があるため、家族で検討し、バランスを取ることが重要です。

住宅別で地震保険を検討するポイント

地震保険を検討する際は住宅別でも気を付けなければいけないポイントがあります。

一戸建て・持ち家

一戸建てや持ち家に住んでいる場合、火災保険だけでは地震による損害が補償されないため、建物と家財の両方で地震保険に加入することが重要です。

特に住宅ローンが残っている場合、地震による損害が発生するとローン支払い以外にも再建費用や家財の購入費用がかかり、家計に大きな負担がかかる可能性があります。

そのため、建物と家財の両方で地震保険に備えることが賢明です。

ただし、両方に加入する際には毎月の保険料が高額になる可能性があるため、補償内容と保険料のバランスを検討し、家計に合った適切なプランを選択することが重要です。

分譲マンション

分譲マンションに住む場合、地震保険は「専有部分」と「共用部分」の2つに分けて考えるのが一般的です。

専有部分は実際に購入した居住スペースであり、共用部分はロビーや廊下など管理組合の管轄下にある領域です。

共用部分の地震保険については、管理組合や管理会社に確認が必要となります。

専有部分については、戸建てと同じく建物と家財の両方に地震保険を加入することが推奨されます。

住宅ローンを抱えている場合、ローン支払いの期間中に地震損害が発生すると、支払いと同時に修理費用がかかります。

地震保険に加入していれば、全額ではないが一定の補償金が得られ、経済的なリスクを軽減できます。

管理組合や管理会社に確認し、適切な地震保険の加入を検討しましょう。

賃貸住宅

賃貸住宅の場合、建物については所有者が管理を担当しているため、地震による損害が発生しても入居者が再建費用を負担する必要はありません。

ただし、入居者が所有する家財については異なり、地震による損害に備えるためには家財保険がおすすめです。

賃貸住宅において、地震による損害を補償するためには、通常の家財保険に加えて地震保険が必要です。

地震保険は地震や津波による損害を補償するもので、通常の家財保険では補償されない地震リスクに対処するために重要です。

以上のこと過多、入居者は自身の所有物に対する地震の損害に備えられます。

地震保険の補償内容や加入に関する条件を確認し、必要に応じて両方の保険に加入することで、より包括的なリスク対策が期待できます。

地震保険加入時の注意点

ここでは、地震加入時の注意点についてご紹介します。

地震保険単独では加入できない

地震保険は火災保険とセットで加入が必要で、単独では契約できないので注意が必要です。

既に火災保険に加入している場合でも、途中で地震保険に追加で加入できます。

地震保険は「地震保険に関する法律」に基づき、政府と民間の損害保険会社が共同で提供しています。

保険会社による補償内容や保険料は一律であり、どの会社で契約しても同じです。

以上のことから地震保険は火災保険とセットで検討することが必要です。

地震保険は損害のすべてを補償できるわけではない

地震保険の保険金額は建物と家財それぞれについて火災保険の30~50%の範囲で設定され、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円が限度となります。

複数の地震保険を契約している場合は、これらの限度額が合算されます。

ただし、これらの制限があるため、地震保険の補償金だけで建物を完全に復旧させることは難しいです。

地震保険は、住まいの完全復旧を目的とするものではなく、被災者の生活の安定に寄与することが主な目的です。

従って、地震保険を正しく理解し、加入して「万が一」に備えつつ、足りない部分は貯蓄などで補完することが重要です。

地震保険の加入を検討してみよう

今秋は地震保険についての必要性や

地震保険は地震、噴火、および地震による津波による被害を補償する公共性の高い保険で、損害が大きいため政府が再保険として補償します。

保険料や補償内容はどの保険会社でも一律であり、日本の地震リスクが高いため、住宅形態に関係なく加入が重要です。

建物と家財の両方で加入が推奨されますが、全額支払いは保障されず、火災保険に付帯しての契約が必須です。

火災保険の申し込み時には地震保険も検討することが勧められます。