生命保険へ加入する際に保障内容や保障される期間、保険料など比較検討する方はいるでしょうが、一度加入した保険について見直すといった方は実は少数です。
しかし保険はライフスタイルの変化によって需要も変わってくるため、提起的に見直すことが大事です。
見直しをおこなうことで万が一への備えができ、保険料を抑えることも可能です。
そこで今回は保険を見直すタイミングやチェックポイントについてご紹介します。
保険を見直すメリットとは?
保険には死亡、医療、介護、収入などの保障があり、これらの必要性はライフスタイルに応じて変動します。
家族の変化や成長などライフスタイルの変遷に対応し、保険の見直しで最適な保障内容を確保できるメリットがあります。
さらに契約期間中は保険料の支払いが必要であり、保険商品や保険金額の選択や本当に必要な保険を契約することによって、保険料の節約にもつながります。
以上のことからライフスタイルの変化に柔軟に対応する保険の見直しは、保障と費用の最適なバランスを追求する上で有益である。
ライフステージ別保険の見直しのタイミング
一般的に保険の見直しのタイミングはライフステージが変わる時だといわれています。
ここでは、年代・ライフステージ・加入すべき保険についてご紹介します。
年代 | ライフステージ | 加入すべき保険 |
---|---|---|
20代 | 独身 | 医療保険など |
30代 | 結婚して子どもがいる | 定期付き終身保険 低解約返戻金型終身保険 定期保険など |
40代 | 子どもが数人以上 | 定期付き終身保険 低解約返戻金型終身保険 定期保険 収入保障保険など |
50代 | 子供が独立、夫婦ふたり | 終身保険 個人年金保険 医療保険など |
60代 | 定年退職後、老後生活 | 終身保険 介護保険 医療保険など |
20代は結婚したとき
20代で保険を見直すのに最適なタイミングは結婚したときです。
結婚後は、葬儀やお墓代だけでなく、生活費も考慮した死亡保障が重要です。
終身保険や定期保険を見直し、収入保障保険への加入も検討してみてください。
共働きかつ子供がいない場合でも、支出が前提のライフスタイルならば、長期の働けない状況への備えが必要となります。
医療保険やがん保険、就業不能保険の手厚い見直しも検討してみるといいでしょう。
30代・40代は妊娠・出産したとき
30代~40代は妊娠・出産したときに保険を見直してみるといいでしょう。
子どもが生まれると家族の守るべき対象が増え、保障額も増えていきます。
病気や万一の場合の保障の見直しも重要です。
妊娠中に医療保険に加入する際は、妊娠・出産治療が対象外のケースもあるため慎重に見直してみてください。
さらにこの時期は子ども保険(学資保険)も注目です。
妊娠期間中にこども保険の仕組みを調べ、よく吟味してみましょう。
50代は子どもが独立したとき
子どもが独立すると生活費や教育費の必要が減り、死亡保険や収入保障保険の保障額を見直し、家計に余裕を生むことがあります。
余裕ができた分は貯蓄や投資、または個人年金保険や変額個人年金保険で老後資金を準備したり、介護や医療の保障を強化することもひとつです。
50代になり子育てが終わると老後や健康への関心が高まり、保険の見直しを契機に将来の生活設計を考える時期となります。
60代は定年を迎えたとき
現代では定年後も働くケースが増加し、人生100年時代において長期の資金運用や一時払い個人年金保険などが注目されています。
したがって経済的リスクへの備えが重要となります。
葬儀費用や相続対策にも生命保険は活用でき、生命保険金は相続財産に含まれず、受取人が迅速に受け取れ相続手続きも簡略できるメリットがあります。
受け取った保険金には非課税枠が認められ、生命保険の特長を理解して見直しを行うことで、万一の際に遺族の負担の軽減が期待できるでしょう。
その他の保険見直しタイミング
保険の見直しは、ライフステージの変化以外にもあります。
ここでは、その他の保険見直しタイミングを解説します。
保険更新のとき
保険の中には更新型のものがあります。
更新型の保険を利用している方は、更新時期の少し前に加入している保険会社からお知らせが届きます。
更新型は、更新タイミングで保険料が上がります。
保険料が負担になる際は、更新の際に継続か乗り換えかを検討しましょう。
保険支払いが負担に感じたとき
保険料の支払いが負担になる場合は、人それぞれです。
保険料が負担になると、加入している保険の解約を検討するでしょう。
すぐに解約をしてしまうのは注意が必要です。
保険は解約をしてしまうと、元に戻すことができません。
既存の保険を解約し、他の保険に乗り換える場合でも審査等ですぐには加入できません。
加入できない期間は無保険になってしまう恐れがあります。
解約を考える際は、すぐ解約せずに保険内容を見直しましょう。
状況と保障の最適化をおこなうと、節約につながるケースもあります。
支払いが負担になった際は、まず保障内容を確認することから始めましょう。
誕生日のとき
保険料は年齢により定められています。
新規保険の加入や既存保険からの乗り換えをする際は、誕生日を迎える前に見直しをしましょう。
ただし、保険には2つの考え方があるため、見直しの際には注意しましょう。
満年齢方式 | 誕生日に年齢が上がる考え方 |
---|---|
保険年齢方式 | 誕生日半年前に年齢が上がる考え方 |
満年齢方式は、誕生日前日までに手続きをおこなうと、誕生日を生む帰る前の年齢で契約ができます。
一方、保険年齢方式の場合は、誕生日半年前までに手続きをおこなうことで誕生日を迎える前の年齢で契約ができます。
保険料を抑えたい方は、誕生日前に見直しをしましょう。
保険の見直しのチェックポイント7つ
ここでは保険を見直す際にチェックしておくべきポイントについていくつかご紹介します。
保険料
保障内容は必要性に合っていても、保険料の支払いが厳しければ続けるのは難しいです。
例えば保険料の払込期間を長めにしたり、掛け捨て部分の割合を大きめにすることで、同じ保証金額を確保しつつ保険料負担を軽減させることはできます。
したがってまず保険種類の変更や保険料を見直してみて下さい。
保障額
必要な保障を備えているつもりでも、保証金額に不足があれば万が一のときに心配です。
例えば、子どもが独立するまでの生活保障に加え、教育資金を確保できるだけの備えをするなどが挙げられます。
今後のライフプランをイメージしながら保障額が適正かを判断しましょう。
保障期間と更新有無
一定期間を保障する定期保険などでは、契約期間満了で保障が終了するた目保障期間や更新が必要かどうかをチェックしておきましょう。
例えば、大学進学前の更新時期がある「定期保険特約付終身保険」では、更新時に保険料上昇があるので要注意。
更新前に見直しを検討し、適切な保険料負担を確保することが大切です。
保険料をいつまで支払う必要があるか
家計を効果的に運営するためには、保険料の「いくら」かつ「いつまで」を見直してみて下さい。
とくに子どもの進学や夫婦のリタイア準備に保険料負担が集中しないよう注意することが大事です。
医療保険などは終身払いで月々の負担を抑える方法もありますが、生涯にわたり支払い続けることになるため、家計全体のバランスを確認して無理なく支払いできるかを検討してみましょう。
解約返戻金の額
保険の解約返戻金は契約期間や解約時期によって異なり、時に既払込保険料を下回ることもあります。
バランスを考慮し、既加入保険の主契約部分だけを残す選択も検討すべきでしょう。
見直し方法は新規加入以外にも複数あるため、適切な方法を選ぶことが大事です。
掛け捨て型・積立型の内訳
保険には「掛け捨てタイプ」と「積み立てタイプ」の保険があります。
掛け捨てと積み立ては、どちらもメリットとデメリットがあるため、家計の状況や将来の必要性に合っているかが重要です。
常に最適性を保てるように掛け捨て型と積み立て型の内訳を確認してみてください。
保険金の受取人
保険契約において、契約者・被保険者・受取人の組み合わせにより税金の種類が変動します。
例えば、全てが夫の場合、満期保険金は「所得税」、夫が契約者・被保険者で妻が受取人の場合は「贈与税」が課税され、税負担が増加する可能性があります。
また死亡保険金も同様で、夫が契約者・被保険者で妻(子)が受取人の場合は相続税が、夫が契約者で妻が被保険者・受取人の場合は「所得税」と「贈与税」がかかり、贈与税の場合は非課税枠が適用されません。
契約者・被保険者・受取人の関係を確認し、必要に応じて受取人の見直しを検討することが大事です。
保険を見直す方法
ここでは、保険を見直す方法についてご紹介します。
保険料を増額・特約を追加する
保険を見直す方法として加入中の保険契約において、保障を増額したり特約を追加することで、保障を充実させる方法があります。
例えば死亡保険では死亡保険金を増額し、医療保険やがん保険では給付金を増額したり新たな特約を追加することができます。
ただし、増額や特約追加に伴い保険料が元の契約より高くなることがあり、健康状態によっては制限があるのでそこは注意が必要です。
もし増額や特約追加を検討する際には、保険料や制約事項を確認するようにしてみてください。
保険料を減額・特約を外す
払済保険に変更する
「払済保険」は契約中の保険において保険料の支払いを中止し、その時点の解約返戻金をもとに従来と同じ保険期間を維持する方法です。
保険期間は変わらず、家計への負担を軽減しながら一定の保障を確保できるメリットがあります。
ただし、払済保険は保障額は下がって一部の特約は継続されますが、他の特約は消滅するので注意が必要です。
延長保険に変える
「延長保険」は契約中の保険において以後の保険料払込を中止し、その時点の解約返戻金をもとに従来と同じ保険金額の保険に変更する方法です。
先ほど紹介した払済保険とは異なり、保険金額を維持しつつ、保険期間を短く調整する点が特徴です。
ただし延長保険も払済保険と同様、一部の特約は継続され、他の特約は消滅するので注意しましょう。
「契約転換制度」を利用する
「契約転換制度」は現行の契約の積立部分を転換価格として新しい保険に切り替える方法です。
転換価格は新契約の保険料に充てられ、これにより全く新規契約よりも保険料が抑えられるメリットがあります。
ただし、保障重視の場合は掛け捨て部分が大きくなり、積立部分が減少する可能性があり、新契約の保険料も引き上げになることがあるため気を付けなければいけません。
保険の見直しの際の注意点
保険の見直しは様々なメリットがありますが、注意しなければいけない点もあります。
そこでここでは、保険を見直す際の注意点についていくつかご紹介します。
保険料が高くなるケースがある
新しい保険に乗り換える場合、その時点の年齢で保険料が計算されるため、見直しによってかえって保険料が高くなる可能性があるため注意が必要です。
また同様に保障額の増額や特約の追加によっても保険料が高くなるため慎重に判断するようにしましょう。
健康状態によっては新規の保険に入れないこともある
健康状態によっては新たな保険に加入できない可能性があります。
ほかにも加入が可能であっても保険料が増額されたり、特定の病歴が対象外になることがあるため注意が必要です。
したがって保険を切り替える場合は、新しい契約が成立した後に既存の契約を解約するようにしましょう。
反対に解約を先行させると、新しい契約が成立しなかったり不利な条件が追加された場合に、元の契約に戻すことができなくなるおそれもあります。
がん保険は免責期間が設定されている
がん保険には免責期間があるので注意しましょう。
通常、免責期間は90日間や3ヵ月といった期間が一般的といあれています。
免責期間内は保険が適用されず、免責期間が終了した次の日が責任開始日となります。
免責期間の開始日は申込み、第一回保険料の払込み、告知が揃った日によって決まり、免責期間中でも保険料の支払いが必要です。
がん保険を切り替える場合は、新しい契約が成立してもすぐに既存の保険を解約するのではなく、免責期間が終了した後に解約するのがおすすめです。
無保険期間を作らない
見直しで新しい保険商品に切替えをする場合、すぐに旧契約を解約するのは危険です。
なぜなら加入申し込みから実際に契約に至るまでにタイムラグがあるうえ、診査に引っかかる可能性もゼロではないからです。
無保険状態の空白期間に万が一のことがあった場合は、保障を受けられなくなるので注意が必要です。
保険の見直しは定期的に見直すことが大事!
今回は保険の見直しのタイミングやチェックポイントなどについてご紹介します。
保険は時間の経過やライフスタイルの変化によって必要となるものが異なるため、そのままにするのではなく保障内容や保障期間、保険料の額などを定期的に見直すことが大事です。
保険を見直すことで保険料が安くなるといったメリットもあります。
もし「自分ではなかなか判断できない」といった方は、保険のプロなどに相談してみるのがおすすめです。