離婚をしたいがお金が無い!離婚する前に確認しておきたいことと活用できる制度

離婚したいけどお金ない お金にまつわるコラム

平成30年人口動態統計(厚生労働省)によると。平成30年の離婚件数は208,333組と、前年の212,296組より 3 ,963組減少しています。

減少の背景には、コロナ禍において、社会全体が活動を自粛しているため、状況が落ち着かなければ行動に移すことができないということも考えられます。

しかし、仮にコロナ禍が収束し、いざ離婚をしようと思っても、特に専業主婦の方やお子さんがある方など、離婚後の生活を考えるとどうしたらよいのか分からないという方もあるかもしれません。

この記事では、実際の母子世帯の収入状況を踏まえて、離婚する前にどのようなことを確認しておけばよいのか、そして離婚後の生活においてどのような制度を活用できるかについて、ご説明致します。

C この記事を書いた人  キムラミキ

日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けする他、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
また、ライフワークとして障がい児・者の親なき後の経済準備についての啓発活動を行う上での課題研究を行うため、放課後等デイサービスや学習に困り感のある子供の学習支援教室にて、障がいのある子供たちの学習支援にも取り組んでいる。

母子世帯の現状

平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告をもとに、母子世帯の収入状況についてご説明致します。

母子世帯の平均世帯人員

報告によると、母子世帯の平均世帯人員は3.29 人となっています。

世帯人員の構成は母子のみ世帯がおよそ6割となっており、世帯人員の割合とあわせて考えると、お子さん1人または2人と一緒に生活されている世帯が多いようです。

母子世帯の就業状況および収入状況

報告によると、母子世帯の母は81.8 %が職について、働いており、「正規の職員・従業員」は 44.2 %となっています。

しかし、その一方で「パート・アルバイト等」で収入を得ている割合も43.8 %と、同じくらい存在します。

また、母子世帯の母自身の平成 27 年の平均年間収入は 243 万円。

しかし、母自身の年間就労収入(働いて得た年間収入の平均)は200 万円となっています。

また、年間就労収入の構成割合を見てみますと、平均を下回る収入の世帯が6割を超えており、母子世帯の平均世帯人員と合わせて考えると、生活の厳しさが浮き彫りとなっています。

養育費の状況

就労収入が低くても、養育費を受け取ることができれば生活に問題はないのでは? と考える方もあると思います。

しかし、報告によると母子世帯の母では、養育費の「取り決めをしている」と回答される方がが 42.9 %と半数に達していません。

その背景には、「相手と関わりたくない」、「相手に支払う能力がないと思った」という理由があります。

養育費を受け取れることに越したことはありませんが、そのためには相手と協議を重ねる必要がありますし、相手の経済状況によっては必ずしも希望するだけの養育費を受け取れない可能性も否定できません。

離婚する前に確認しておきたいこと

前段で、母子世帯の様子についてご説明致しましたが、お子さんを抱えながら、苦しい生活を送っている様子が浮かび上がります。

そのような状況に陥らないために、離婚する前に確認しておきたいことについてご説明致します。

離婚の際に確認しておきたいこと
  • 生活拠点・収入源・想定支出の確認
  • 慰謝料・養育費の請求

生活拠点、収入源、想定支出の確認

まずは、生活拠点をどこにするのか、考えておきましょう。

そして、その拠点でどのような支出が想定されるのかを考えておきましょう。

それによって、どれくらいの収入を得る必要があるかを逆算することができます。

その収入を得るために、どんなスキル向上や資格取得を図ればよいのか、考えてみましょう。

なお、実家で親などと一緒に暮らすのか、それとも賃貸住宅を借りて暮らすのか、生活拠点をどこにするのかによって、想定される支出は異なってきます。

親と不仲、または既に親が他界しているという場合は、実家で親などと一緒に暮らすという選択肢を選ぶことは難しいでしょう。

しかし、そうでなければ、実家で自立生活のための準備期間を設けて、いずれ独立をすると考える方が懸命のように思います。

母子世帯の収入状況が厳しいことは先に述べた通りです。

一生懸命、働いて収入を得ようと思っても、お子さんが幼い時は病気もしがちですし、幼稚園や保育園、学校行事等で度々仕事を抜けなければならないこともあるかもしれません。

そのため、収入が増えない生活の厳しさから、意に反して虐待を行ってしまうというケースも少なくありません。

ストレスで自分を追い込まないようにするためにも、自分一人でがんばりすぎない環境を選択されることをおすすめします。

実家という選択肢を選べない場合、母子生活支援施設を活用するのも一案です。

「母子生活支援施設とは、1947(昭和22)年に制定された児童福祉法に定められる施設です。

18歳未満の子どもを養育している母子家庭、または何らかの事情で離婚の届出ができないなど、母子家庭に準じる家庭の女性が、子どもと一緒に利用できる施設です。

さまざまな事情で入所されたお母さんと子どもに対して、心身と生活を安定するための相談・援助を進めながら、自立を支援しています。」

引用:社会福祉法人 全国社会福祉協議会 全国母子生活支援施設協議会

お住まいの自治体の福祉事務所で相談するなどして、あらかじめ情報収集をされておくとよいでしょう。

慰謝料、養育費の請求

離婚の原因に相手方に責任がある場合、慰謝料請求ができるのか否か、無料法律相談などを活用して下調べをしておきましょう。

また、養育費の相場についても確認しておくとよいでしょう。

慰謝料、養育費の相場

【慰謝料】

慰謝料とは、民法第710条により認められた生命・身体・名誉・貞操などを侵害する不法行為により生じた精神的損害に対する損害賠償金額のことをいいます。

調停・裁判によって認められる慰謝料の金額は、慰謝料算定の基礎となる「破綻の経緯」、「有責割合(夫婦のどちらにどれくらい責任があるか)」、「共有財産の額」、「夫婦双方の収入」、「生活状況」等によって異なります。

事案によりケースバイケースですが、裁判例上は100万円~300万円のことが多く、500万円を越えるケースは稀なようです。

【養育費】

養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。

一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費,教育費,医療費などがこれに当たります。(引用:法務省)

養育費の相場の目安は、参考リンクの算定表を参考にしてください。

なお、算定表はあくまでも目安であり、実際には話し合いによって金額を決定します。

参考平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

活用できる制度の一例

離婚後に活用できる制度の一例をご紹介いたします。離婚する前に、様々な制度があることを知っておくことも大切なことです。

参考母子家庭等関係(厚生労働省)

児童扶養手当

児童扶養手当とは、ひとり親家庭の生活の安定と自立促進、児童の心身の健やかな成長を図ることを目的として厚生労働省から支給される手当のことをいいます。

母子福祉資金貸付

20歳未満の児童を扶養している配偶者のない世帯が貸し付けを受けられる制度です。

修学資金(高等学校、大学、高等専門学校又は専修学校に就学させるための授業料、書籍代、交通費等に必要な資金)、就職支度資金(就職するために直接必要な被服、履物等及び通勤用自動車等を購入する資金)など使途によって限度額が決められています。

ひとり親家庭等医療費助成制度

児童を監護しているひとり親家庭等の親やその子が医療を受けた際、国民健康保険や健康保険など各種医療保険の自己負担分から一部負担金を差し引いた額が助成される制度です。

国の教育ローンの金利および返済期間優遇

ひとり親世帯において、国の教育ローンの借り入れをする際、金利優遇を受けられるほか、返済期間も通常より3年長く設定することができます。また、保証料も通常の3分の2と優遇されています。

まとめ

離婚をしたいと考えても、感情だけで行動を起こしてしまうと、こんなはずじゃなかったと後悔してしまう可能性もあります。

離婚後の生活設計を行い、冷静に準備を進めていきましょう。

また、離婚後、自分一人ですべてをがんばりすぎる必要はありません。

公的なサービスなども賢く活用して、生活を送っていくためにもどんな制度ががあるのか、チェックしておくのも忘れないようにしておきましょう。