国民健康保険はおもにフリーランスや個人事業主などが加入する公的医療保険です。
国民健康保険の保険料は収入や家族構成、年齢によって決まっており、人それぞれです。
そこで今回は国民健康保険の保険料の仕組みや計算方法についてご紹介します。
国民健康保険の保険料は収入や地域によって異なる
国民健康保険は、フリーランスや個人事業主、年金受給者などが加入する制度で、世帯主が加入すると配偶者や子供なども扶養家族として加入します。
保険料は収入や年齢により変動し、自治体ごとに異なる率が設定されています。
被保険者が増えると保険料も増えるため、家族構成により料金が異なります。
自治体では保険料の目安を示す早見表やシミュレーターを提供しており、自身の保険料を簡単に算出できます。
個別の自治体のWEBサイトを利用して、保険料の目安を確認してみてください。
国民健康保険の保険料が決まる仕組み
国民健康保険料は「医療分」「支援分」「介護分」の3つで構成されています。
「医療分」は基本的な医療費の源であり、通常は加入者の医療費の3割を負担し、残りの7割が医療分から支払われます。
自治体ごとに医療機関数や医療従事者数、医療ニーズに差があり、これが保険料の違いに反映されます。
「支援分」は後期高齢者医療制度の支援金で、75歳以上または障害認定を受けた65歳以上の加入者に関連します。
資金調達は加入者から1割、公費から5割、国民健康保険の支援分から4割です。
この分離は安定的な財源を確保し、高齢者が医療を受けることを促進します。
「介護分」は介護保険制度に充てられ、65歳以上の要介護認定者や特定疾病で要介護認定された加入者が利用するサービスに資金を提供します。
40歳以上64歳以下の全員が加入し、介護分は世帯に40歳以上の人がいない場合は免除されます。
おもに手取りが減る要因として介護分が引かれることが挙げられます。
国民健康保険料の算出方法
国民健康保険の保険料は先ほども述べたように「所得割」「均等割」「平等割」の3つで構成され、これらを合算して1年間の保険料が算出されます。
資産割も以前はありましたが2023年度の改正で廃止され、現在は所得割と均等割、または平等割の2つまたは3つの方式で保険料が計算されることが一般的となっています。
「所得割」は加入者の収入に応じて算出され、高収入ほど高額な保険料が発生します。
前年の総所得金額から基礎控除額を差し引いた算定基礎額に自治体ごとに定められた保険料率をかけて計算されます。
たとえば、基礎控除額は所得が2,400万円以下の場合は43万円の控除が適用されます。
「均等割」は世帯あたりの加入者の人数に応じて一律に計算され、所得に関係なく「1人いくら」の形で適用され、自治体ごとに金額が異なるので注意が必要です。
「平等割」は全世帯が等しく負担する方式で、所得による差はなく一定額が課されます。
多くの自治体では平等割は採用されていませんが、毎年6月頃に郵送される国民健康保険料納入通知書、あるいは自治体のWEBサイトでチェックできます。
国民健康保険料とは
国民健康保険料は各自治体によって異なりますが、一般的に年間10回に分けて支払うものとなっています。
毎年4月から翌年3月までの1年分の保険料を、6月から翌年3月までの10カ月にわたって納付するものとなっています。
保険料の計算においては、シミュレーターや早見表などで掲示される1カ月あたりの金額が一般的ですが、実際に支払うのは「年間保険料÷10回分」であり、これは1.2カ月分に相当します。
もし保険料の金額を確認する際には、年間の納付回数にも留意し、自治体のWEBサイトなどで詳細を確認するようにしましょう。
国民健康保険料・保険税の減免とは
所得が法定の基準を下回る世帯では、均等割・平等割の金額を減額する仕組みとなります。
世帯主と加入者全員の前年中の総所得金額によって、「7割」「5割」「2割」の3段階で減額が適用されます。
ちなみに3人世帯の場合だと以下の条件で減免となり、市町村役場で申告手続きをおこなうものとなります。
7割 | 43万円+(給与または年金所得者の合計数−1)×10万円)以下 ※給与収入98万円以下 |
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5割 | 43万円+(給与または年金所得者の合計数−1)×10万円)×(29万円×世帯の加入者数)以下 ※給与収入197万円以下 |
2割 | 43万円+(給与または年金所得者の合計数−1)×10万円) ×(53.5万円×世帯の加入者数)以下 ※給与収入30②万円以下 |
また、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、国・地方の取組として、未就学児の均等割保険料(税)を軽減する制度が令和4年4月から開始されました。
未就学児に係る均等割保険料(税)について、その5割が公費により軽減されます。
自治体には所得制限や生活困難な状況に対する特別な減額・減免制度が存在することがあります。
例えば、災害や病気、勤務先の倒産などが原因で生活が著しく困難になった場合、または会社都合で退職した人や災害による避難者が転入した場合にも減免措置が適用されることがあります。
各自治体のWEBサイトで詳細な情報を確認することが重要です。
国民健康保険の保険料は各自治体によって異なる
今回は国民健康保険の保険料の仕組みや計算方法についてご紹介してきました。
国民健康保険料は計算が複雑であり、正確な金額を出すのは手間がかかるもの。
そのため、各自治体が用意している早見表やシミュレーターを利用するのがおすすめです。
さらに、国民健康保険は所得金額や世帯の事情にあわせて、いくつかの減額・減免制度が用意されていることも。
事前の申請が必要となるのであらかじめ制度の内容を調べておき、利用できるのなら申請をしておきましょう。
保険料の納付にクレジットカードを使えば、ポイント還元も受けられるメリットもあるのでぜひ活用してみてくださいね。