日本のクレジットカードは、ハウスカードと国際ブランドに分かれており、国内取引の大半を国際ブランドがしめています。
公正取引委員会で令和3年7月から令和4年2月にかけて行われた「クレジットカードの取引に関する実態調査報告書」によると、国内の取扱高の割合は国際ブランドが98.3%、ハウスカードが1.7%という結果でした。
国際ブランドはさまざまあるものの、そのなかでも2大国際ブランドが、VISA、そしてマスターカード(MasterCard)です。
VISAとMastercardのどちらを選ぶかは、利用シーンや提供されるサービスによって異なります。
Visaは特にアメリカ方面でのシェアが高く、Mastercardはヨーロッパでの利用に強みを持っています。
しかしクレジットカードの申し込みを検討するうえで、審査に通過できるか不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
また、国際ブランドによって審査通過率や難易度に違いがあるのかも気になりますよね。
そこで今回は、マスターカード(Mastercard)の審査基準やメリットについて紹介していきます。
国際ブランドごとの審査基準についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
国際ブランド「マスターカード(Mastercard)」とは?
マスターカードは、世界的に認知されている主要な国際クレジットカードブランドの一つであり、その影響力は世界中に及んでいます。
国際ブランドの1つ「Visa」に並んで、クレジットカード市場において最も普及しているブランドの一つであると同時に、世界各国の多様な銀行や金融機関との提携により、広範囲な決済ネットワークを展開しています。
このネットワークは、国際的な旅行やビジネス取引を行う際に不可欠な要素であり、世界中の店舗やオンラインサービスでの支払いに広く使用されています。
マスターカードには、以下2つの特徴が備わっています。
- 高い市場シェア
- 先進的なセキュリティ技術
第一に、マスターカードのシェア率は、VISAに次ぐシェア率を有しています。
特に、オンライン取引や国際的な取引において、セキュリティは最優先事項であり、マスターカードはこれを実現するために最先端の技術を採用しています。
これにより、マスターカードはグローバルな規模での事業拡大を続けており、今後もその地位を固めていくことが予想されます。
- それぞれの国や地域の法規制や市場の特性に合わせたカスタマイズされたサービスを提供
- ユーザー1人1人のニーズに適った柔軟な支払いソリューションを提供
- 最先端のセキュリティを維持することで利用者の安全を確保している
国際ブランドが違ってもクレジットカードの審査基準は変わらない
現在、世界で発行されている国際ブランドは、マスターカードをはじめとする7種類が主流となっています。
- VISA
- Master Card(マスターカード)
- JCB
- American Express(アメックス)
- Diners Club(ダイナースクラブ)
- 銀聯(ぎんれん)
- Discover card(ディスカバー)
ここでは言う「国際ブランド」とは、決済ネットワークを指し、カードの発行をするか否かの審査はクレジットカード会社が行います。
つまり、マスターカードを選んだからといって、その審査が特に厳しくなることはありません。
例として、あるカード会社が発行するJCBブランドのカードとVISAブランドのカードの申込みがあった場合、審査を行うのはそのカード会社自身です。
このプロセスは、マスターカードにも同様に適用されます。
つまり、その発行会社が提供するマスターカードとVISAの両方に申し込んでも、審査基準や難易度に差はないと考えられます。
ここで重要なのは、各カード会社が独自の審査基準を設けていることです。
これらの基準は、国際ブランドによって決定されるのではなく、各発行会社の方針やリスク管理の観点から設定されます。
したがって、マスターカードを申し込む際も、審査の厳しさは発行会社によって異なり、ブランド自体はその基準に直接関与していないのです。
国際ブランドによって審査難易度が変わるケース
クレジットカードの審査基準は、カードのランクや発行会社が設けている審査基準等によって難易度が変わります。
しかし、中には、同じカードでも選択した国際ブランドの違いでカードの発行までにかかる時間が異なるケースがあります。
ここでは、三菱UFJニコスが発行するMUFGカードなどを例に審査難易度が変わるケースを解説します。
各国際ブランドとカード会社の関係が異なるケース
三菱UFJニコスが発行するMUFGカードでは、VISAとMastercard、JCBなど4つの中から目的に適った国際ブラントが選択できます。
しかし、選択した国際ブランドによって審査にかかる時間が若干異なります。
以下、公式が「カード発行期間について」公言している内容の一部です。
お申し込み後Visa・Mastercardブランドは最短翌営業日、JCBブランドは最短2営業日、アメリカン・エキスプレスブランドは最短3営業日でカード発行いたします。※1
※1.オンライン入会のお申し込み完了時間が9:00までの場合、Visa・Mastercardブランドは最短翌営業日、JCBブランドは最短2営業日、アメリカン・エキスプレスブランドは最短3営業日の発行となります。(MUFGカード ゴールド・MUFGカード ゴールドプレステージなど、一部のカードが対象です)
引用:三菱UFJニコス公式サイト|オンライン入会申し込みの流れ・⑤カードお届けより
国際ブランド | カード発行までの期間 | カード到着までの期間 |
---|---|---|
VISA・Mastercard | 最短申込の翌日 | 最短約3日 |
JCB | 最短申込から2営業日 | 最短約4日 |
アメリカン・エキスプレス | 最短申込から3営業日 | 最短約5日 |
これは、三菱UFJニコスがVISAとMastercardの発行ライセンスを直接持ち、同時にJCBのフランチャイズでもあるためです。
しかし、国際ブランドが異なるからといって審査内容に大きな差はなく、どちらが甘いや厳しいなどの違いはありません。
国際ブランドによってクレジットカードの発行元が異なるケース
また、JALカードのように、異なる発行会社が存在する場合は審査基準が異なることがあります。
国際ブランド | 審査を行う会社 |
---|---|
JCB | ジェーシービー |
Amex | 三菱UFJニコス |
Diners Club | 三井住友トラストクラブ |
といったように、カード会社ごとに審査の難易度が異なる可能性がありますが、同じ会社が発行するVISA、Mastercard、JCBカードについては、審査基準に違いはありません。
マスターカード(MasterCard)の審査は厳しい?
マスターカードの審査基準については、一般に公開されている具体的な情報は限られていますが、クレジットカードの申込み審査は多くの要因に基づいて行われることが知られています。
審査の厳しさは、発行する金融機関、カードの種類、申込者の信用状況によって異なります。
マスターカードを含むクレジットカードの審査では、申込者の信用情報、収入、職業、過去のクレジットヒストリーなどが考慮されます。
審査の厳しさはカードのランクによって変わる
例えば、プレミアムカードや高いクレジット限度額のカードは、一般的なカードよりも審査が厳しい傾向にあります。
カードを持つことで利用できる豊富な特典やサービスに対して、金融機関がリスクをしているため
逆に、学生向けカードや初めてのクレジットカードなどは、審査が比較的緩やかなことが多いです。
また、申込者のクレジットスコアは審査において重要な要素です。
クレジットスコアは、過去の借入れや支払い履歴、使用中のクレジットラインの量などに基づいて計算されます。
高いクレジットスコアを持つ申込者は、信用力が高いと見なされ、審査を通過しやすくなります。
審査基準はカードを作成する会社の審査基準に委ねられる
カード会社は、カード発行に伴う審査を行う過程で申込者が安定した収入を築いているかどうかや雇用状況を評価します。
- クレジットカードが「信頼」に基づくサービスであるため
- 請求額の未払いを防ぐため
また定期的かつ安定した収入があることは、返済能力を示す重要な指標となります。
また自営業者やフリーランスの場合、収入の安定性を証明するのが難しい場合があり、この点が審査に影響を及ぼすこともあります。
つまり、マスターカードの審査が一概に厳しいとは言えませんが、申込者の信用状況や申込むカードの種類によって、審査の難易度は異なります。
申込前に自身の信用状況を確認し、適切なカードを選ぶことが重要です。
マスターカード(MasterCard)のメリット
ここでは、クレジットカードを申し込む過程で国際ブランド「マスターカード(MasterCard)」にするメリットを紹介します。
世界中で利用できる
Mastercardは世界に広く流通しており、特にヨーロッパ圏で広く使われています。
Visaと比肩するシェアを持ち、世界各地で幅広く受け入れられているのが特徴です。
ヨーロッパ旅行を計画している場合、Mastercardの利用は特に便利です。
また、他の地域でもこのカードの普及率は高く、世界中でのショッピングやサービスの支払いに幅広く使用できます。
海外キャッシングを利用できる
海外でのキャッシングにおいても、Mastercardは優れた便利さを提供します。
独自のグローバルATMネットワーク「Cirrus」により、世界中のCirrusマークのあるATMでキャッシングが可能になっています。
これにより、海外旅行中に現金が必要になった際にも、Mastercardを持っていれば安心して資金を引き出すことができます。
プライスレス・シティプログラムを利用できる
Mastercardのもう一つの大きなメリットは、会員専用の特典プログラム「プライスレス・シティ」です。
このプログラムを通じて、世界各地の主要都市で開催される特別なイベントやサービスを体験することが可能です。
セキュリティ対策がしっかりしている
セキュリティ面では、MastercardはMastercard ID Check™など、高い安全性を備えた本人認証サービスを提供しています。
これにより、オンラインでのショッピングやその他の決済時に、利用者本人であることを確認でき、セキュリティの心配を軽減できます。
安心して決済を行うことができるのは、Mastercardの大きな強みです。
コンタクトレス決済に対応
マスターカード(MasterCard)の審査難易度はカード会社とランクに依存する
クレジットカードの審査は、国際ブランドではなく、カードを発行する会社によって異なります。
マスターカードのような国際ブランドは決済ネットワークを提供しますが、審査プロセスには関与しません。
審査基準は、発行会社の方針に基づき、申込者の信用履歴、収入、職業、負債状況などを評価します。
同じマスターカードブランドでも、発行する金融機関によって審査の厳しさは異なり、カードのランクや種類によっても審査基準は変わります。
例えば、プレミアムカードやビジネスカードは一般カードより厳しい審査を受けることが多く、これは高額のクレジット限度や特典サービスが高リスクを伴うためです。
一方、安定した収入と良好な信用記録を持つ申込者は、審査を通過しやすいです。
しかし、過去の支払い遅延や債務不履行の記録がある場合、審査を通過するのが難しくなります。
結局のところ、クレジットカードの審査難易度は国際ブランドではなく、カード会社とカードのランクによって左右されるので、自分の信用状況やニーズに合ったカードを選ぶことが大切です。
国際ブランドの選択は利用の便利さや好みに基づいて行うべきです。