ほんとのところ、老後資金はいくら必要ですか?

老後資金に不安になる夫婦

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お金コラム

将来のこと、お金とか色々考えておかないといけないけれど、「まだ先のことだし…」と後回しにしがち…。

ってか正直、お給料だけじゃ貯金も難しいし、結局いくら貯めておけばいいのかもわからない…。

老後資金こそ、早いうちにしっかりと準備をしておきたいところ。

今回は、経済ジャーナリストの堀 浩司先生に「結局のところ、老後資金はいくら必要なのか」をテーマに、お話を伺いました。

C この記事を書いた人  堀 浩司 (ほり ひろし)

経済ジャーナリスト、阪南大学常任理事
「経済学」は私たちの暮らしを良くするためにある。バブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍でも何の指針も示せない。政策を後押しするだけの、難しく装い、私たちを煙に巻く御用学者の「経済学」は不要。私たちの生活に密着した「経済」のお話を分かりやすく、ラジオ・テレビを中心にお話しています。「みんなの優しい経済学」
現在出演中番組:(レギュラー)HBCラジオ/ナルミッツ、TBCラジオ/サタディインザパーク、SBCラジオ/モーニングワイドラジオJ、MBCラジオ/青だよ!たくちゃん!、MBCテレビ/週刊1チャンネルなど。

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「老後2000万円不足」が大きな話題に

今から5年近く前の2016年6月、「老後2000万円不足」という話がマスコミから広がりました。

「今の高齢者は結構、お金貯めこんでいるらしいけど、我々、若い世代はそんな大金、貯められないぞ」といった声が多く聞かれました。

ことの発端は、金融庁の金融審議会の報告書でした。

厚生労働省の統計資料から、夫婦のみ高齢夫婦無職世帯の収入額が月額209,000円(うち、夫婦二人の年金額192,000円)。

そして支出額が月額264,000円。

差引55,000円が毎月不足するとして、その30年間の不足額が約2,000万円(5.5万円×12ヵ月×30年)というものです。

確かに、2,000万円の貯蓄があれば、老後の安心圏内に入るのでしょうが、なかなか貯められないというのも現実です。

そこで老後資金について、どのように考えたらいいのか、そして、あなたにとって、老後資金はいくら必要なのかを見ていきましょう。

「年金は当てにならない」のでしょうか

よく「年金なんて、貰えなくなるから当てにしていない」という若い方の声を聞きます。

これから、しばらく続く高齢化社会では、年金をもらう高齢者の方が増え年金財政が厳しくなり、年金がもらえなくなる、あるいは、自分たちが老後を迎える頃には、受け取る年金額はどんどん下げられてしまう、という思いです。

国民から強制的に保険料を徴収している年金を無くすというのは、あり得ないことです。

暴動が起き、そんなことを我々国民は許しません。

年金額はマクロ経済スライドという難しい名前の制度です。年金の受取額は、物価と徴収する保険料のバランスを取りながら調整されます。

保険料だけで年金の給付が行われているのではなく、一定額の税金が投入されています。

令和元年度では、徴収した年金保険料39兆円と税金で55兆円の年金が給付されました。

令和元年度では年金収支の余剰金が5,000億円ほど発生し、不足する時のために積み立てられています。

この積立金は年金の収支が不足する時に引き出されますが、令和元年度末の残高は158兆円もあります。

保険料の徴収が無くても、税金の投入が無くても3年間は給付を続けられる金額です。

世界で最も年金資金の積み立てが多いのが日本です。

もちろん、これで年金の給付が今以上に増える高齢化社会に十分対応できるとは言い切れませんが、少なくとも年金制度が破綻してしまうということはありません。

「年金が当てにならない」というのを若い方々に吹聴しているのは、投資のセールスマンや、年金を逆に当てにしてほしくない政府の責任放棄かもしれませんね。

歳をとって初めて気付く「当てになるのは年金だけ」

私は現在68歳です。

大学に籍を置いており、お給料をいただいていますので、年金は支給停止という状態で給付を受けていません。

実はずっと自営で仕事をしてきて50代になって大学に来たものですから国民年金の期間が長く、年金受給額も多くありません。

はじめにご紹介した金融庁報告書「老後2000万円不足」のモデル夫婦の年金額192,000円には、遠く及びません。

若い頃から自分で仕事をしてきて、いくつになっても働けると自分の年金のことには無関心でした。

しかし、退職した後のことを考えると年金の有難さが身に沁みます。

この歳になって社員募集のオファはなかなかありませんし、(フルタイム+残業)での勤務には自信がありません。

働けなくなっても死ぬまでもらえて、ある程度物価に連動していて、年金財政が厳しくなっても現役世代の50%の年金額、しかも、今となっては、お給料から強制的に天引きされることさえ魅力に思えてしまいます。

夫婦でそれぞれの厚生年金をもらえたら・・・

厚生労働省の令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況では、厚生年金保険の平均年金月額は146,162円、国民年金の平均年金月額は56,049円とあります。

サラリーマンの夫と専業主婦の夫婦ですと単純計算すると202,211円。

これも単純にご夫婦とも会社員で厚生年金ならば292,324円。

まだまだ男性に比べ女性のお給料が低い現実を考えて、乱暴な計算ですが、単純に妻の年金額を夫の7割とすると夫婦で248,000円。

決して多い金額ではありませんが、なんとかやっていける金額と思う方もいらっしゃると思います。

今、ご紹介した金額は既に年金を受けておられる方の平均ですが、平成元年度に新規に年金受給者になられた方の平均ですと、夫婦二人とも会社員で妻は夫の7割の年金額として計算すると264,000円となります。

健康保険と厚生年金を夫婦で天引き徴収されるのは痛いですが、老後のご夫婦の生活を考えると、夫婦とも厚生年金に加入できる職場の選択は大きいと思います。

それでも老後資金は必要、まずは100万円を目標に

老後資金貯金への道のり

投資の神様、ウォーレン・バフェットの本を読んでいると自分も投資で成功する気がしてきます。

彼は神様なのです、私たちと違います。

私たちが老後資金を作る第一歩は、まずはコツコツとためることです。

自動引き落としの積立貯金でまずは、スタート。

10万円、50万円、100万円と貯蓄額が増えてくるとお金を貯めることにワクワクしてきます。

まずは、100万円が目標です。

100万円が貯まると視界が広がります。

お金を使うことに対してシビアになってきます。

株式投資、投資信託へのステップ、元本保証でないことの認識を持って

現在の都市銀行の定期預金金利は、0.002%。

100万円を1年間預けても20円の利息です。

どうしても、もっと増やせないかと考えてしまいます。

そんな時、これはずっと昔からのセールストークですが、「お金にも、働いてもらいましょう」。

株式投資をはじめいろいろな金融商品の勧誘が始まります。

さまざまな金融商品の中から、どれを選ぶか。

鉄則は、その仕組みを完全に理解できる金融商品です。

まずは投資信託、株式投資から、ご自身のあくまでも身の丈に合った投資に限ります。

コロナ禍で株価が高騰する不思議

東京証券取引所の2020年の株式取引の60~70%は外国人投資家でした。

外国人機関投資家にとっては、株価は上がり続けることも、下がり続けることも利益にはつながりません。

株価が上がったり、下がったりという乱高下を繰り返すことで利益が出るのです。

時にはその資金力で買い注文を連発し株価を高騰させることもあります。

また、私たちが考える株式投資は、安く買って、その株が高くなると売るという形です。

しかし、プロの投資家というより投機家は、値下がり局面でも利益を出す手法を駆使します。

まず株価が高いときに株を借りて、高く売ります。

次に株価が下落したところでその株を安く買って、返すという空売りという手法です。

あらゆる手段を使って日本の株式市場で株価を動かしているのが、外国人投資家です。

プロの投資家(投機家)の株式投資、ここまでやる

一昨年、「ハミングバード・プロジェクト0.001秒の男たち」という映画が公開されました。

これは実話で、2011年、ニューヨーク証券取引所と、1,600㎞離れたカンザス州のデータセンターを、最短の一直線でつなぐ専用回線を敷くプロジェクトで、当時データ送信に掛かっていた0.017秒を、0.016秒に短縮することができるというものです。

ハミングバード(ハチドリ)が一回、羽ばたきをするのに要する時間が0.001秒ということなのですが、その0.001秒先回りすることで、映画の主人公の言葉を借りれば、「タイムマシンで未来へ行き、当選番号を知った上で、宝くじを買うようなものです」と説明しています。

たとえ1セントの儲けでも、週末を除いて毎日20万回繰り返すと、年間で5億ドルの儲けになる計算です。

もちろんこのような取引は、すべてコンピューターがAI人工知能を使って行うのですが、この「高頻度取引」の会社は、既に日本にも上陸しており金融庁に55社が登録しています。

私たちの株式投資

いくら勉強しても、プロの投資家にはかないません。

私たちは、彼らの餌食になってはいけません。

あくまでも、マイペースの投資です。

そして、私たちが株式投資に割く時間は限られています。

「高速度取引」が横行している株式市場で、私たち一般投資家は、短期の勝負は避けるのが得策です。

日々の値動きに一喜一憂してストレスをためるのは良くありません。

自分の好きな会社、応援したい会社の株式をまず買ってみましょう。

ここで、投資の神様、ウォーレン・バフェットの言葉です、「株式を買う理由のもっともバカげているのは、値上がりしてから買うというやつです」。

そんなバカなことはしないと、皆さん思われるのですが、大半の一般投資家はこの轍を踏んでしまいます。

もう一度、ウォーレン・バフェットの言葉を読み返してください。

株価が連日値上がりしだしたら株を買おう、と思いませんか。

株が値下がりしだしたら、そわそわして、売ってしまおうか、と思いませんか。

それは逆です。

景気が悪くて株価が下がった時が買い時。

景気が良くなり株価が上がっているときが売り時です。

私は、航空会社の株をほんの僅かですが、コロナ禍以前の半値で買いました。

リスクは覚悟の上です。

では、いったい、いくら老後資金があればいいのでしょうか

人によって、生活費も、収入も、生活習慣も違います。

基本として、皆さんにお話するのは、

{(老後の月額生活費) - (老後の月額収入)}×12か月×20年=老後資金必要額

簡単には、
{月の贅沢でない生活費予想額の3年分}

とも、言い換えられます。

いろいろな方の人生を見てきて、相続税の申告のお手伝いをしてきて、老後の財産の相談を受けてきて、思うことがあります。

人はポジティブな気持ちを持てれば、たとえ収入が現役時代と比べてかなりダウンしても、楽しく老後をすごせる、ということです。

計算上の老後資金ではなく、ポジティブな気持ちを持てる老後資金がポイントです。