うつ病との闘い。
それは「うつ病」という病気や症状そのものとの闘いもそうだけれども、僕にとってのそれは病気だけではなく、お金との闘いでもありました。
うつ病になる前、僕は会社員として働いており、給料という毎月一定の収入を得ていました。
ですが、過労でうつ病になってしまい、会社を退職せざるを得なくなってしまいました。
もちろん退職してしまったので翌月からは収入がゼロになり、次の仕事が見つかるまでは残っている貯金だけでやりくりしていかなければなりません。
ただ、幸いにも僕は一人暮らしではなく実家暮らしだったので、すぐに住むところがなくなったり食べるものがなくなったりするということはありませんでした。
しかし、通院や投薬、それに税金や年金の支払いが僕の財布や貯金に重くのしかかってきます。
毎週の通院と投薬で貯金は減っていく一方・・・
だけれども、うつ病になる前の状態の身体に戻れる気配は全然なくて・・・
この記事を書いたライター
大ちゃん@うつ病ブロガー
1992年生まれ。うつ病になったことで人生に絶望していましたが、ブログを書き始めたことにより人生が好転。うつ病がきっかけで今後の人生について考えるようになり、これまで避けていたお金のことにも真剣に向き合うようになる。ブログやツイッターではおトク情報や節約術に加え、うつ病の人でも思いっきり人生を楽しむために必要な情報を中心に発信しています。
うつ病の治療は長期間におよび、回復したとしても再発する確率が非常に高い
うつ病についてあなたはどれくらい知っていますか?
厚生労働省のホームページによると、日本ではうつ病の推定患者数は100万人以上にのぼり、その患者数は毎年増加の一途をたどっています。
出典:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
実はこの数字は約15人に1人が生涯のうちに1度はうつ病になるということを示しており、もはやうつ病は日本人なら誰であってもなる可能性のある、身近な精神疾患の一つなのです。
そして、うつ病という病気は普通の風邪のように数日で治るものではありません。
心療内科や精神科で適切な治療を受けたとしても、回復までには平均して3~6か月という長い期間を要します。
そのため、うつ病になってしまうと多くの場合は療養のため仕事を休職する必要がありますし、症状が重いと僕のように会社を辞めざるを得なくなってしまう人もいます。
さらに、うつ病の厄介なところは再発する確率が非常に高いという点です。
その再発率は60%以上とも言われており、一度回復して社会復帰したとしても再び仕事を辞めざるを得なくなり、結果的に年単位という長期間の療養生活を強いられる人も多いのです。
このように、うつ病は今でこそ病名は広く知れ渡るようになってきましたが、実際にかかってしまうとこれまでの生活が一変してしまう、とても恐ろしい病気なのです。
普通に働けない僕は在宅ワークやブログを始めて収入を得ることに
もうひとつ、うつ病が厄介な点として、うつ病の症状には必ず「波」があるということです。
例えば、1日の間であっても、朝は調子が悪くて身体がだるく感じていても、日中はまるで完治したかのように元気になったと思えば、夜になるとまた症状が重くなる・・・といったように、症状の出る波が大きいのが特徴です。
また、うつ病になると、不眠を併発する患者さんも多く、生活のリズムが乱れがちになります。
そのため、会社員やアルバイトのように出社時間や勤務時間があらかじめ決められている仕事だと、たとえその日の体調が優れなかったとしても、
「急に休んで周囲に迷惑をかけるわけにはいかない」
と思い、無理に頑張って出勤してしまうことで、余計に悪化したり再発したりしてしまうことも多いんです。
僕も例外ではなく、症状には波があって、この身体の状態だと以前のようにあらかじめ決められた時間で働き続けるのは到底無理だなと感じていました。
しかし、このままだと収入がないままで、貯金を崩しつくしてしまえば家族にも迷惑がかかるし、いずれは社会復帰して自立していかなければならないので、何とかして収入を得ようとインターネットで色々調べてみたんです。
すると、そんなうつ病の僕でも収入を得る方法として、在宅ワークやブログの運営が見つかりました。
最初はどうやって収入を得るかなどという仕組みさえも全然分からなかったのですが、うつ病の症状の波が激しく、収入も全くない当時の僕は「外で働けない自分がお金を稼いでいくにはコレしかない・・・!」と思い、独学で勉強を始め、慣れない手つきで必死になって在宅ワークやブログの運営に取り組んでみたんですね。
わずかな収入がうつ病の僕に大きな自信と希望をくれた
うつ病になってから約1半年、そして在宅ワークやブログに取り組み始めてから約9か月の頃。
投薬と時の経過によりうつ病の症状は軽くなり、精神的な面では1年前と比べるとはるかに楽になったなと感じるようになりました。
特にブログは、文章にして記事にまとめることで自分の感情や不安に思っている点を整理することにも役立ち、それが結果的に精神状態の安定にもつながったという面はあったんだと思います。
ですが、それよりも影響が大きいのは、ブログや在宅ワークから収益が出ているからだと思うんです。
「何もないところから生み出した自分の文章や記事からお金が発生してる・・・!」
特にブログから初めての収益が出た時はとても感動したのを今でもよく覚えています。
といっても、この時の収入は全部合わせてもせいぜい数千円程度でした。
ですが、この時手にしたお金は、僕にとっては額面以上に大きく感じるものだったんです。
時間の経過でうつ病の症状が軽くなったのもありますが、ブログや在宅ワークからのわずかな収入がうつ病でこれまで収入がゼロだった僕に大きな自信と希望を与えてくれたんです。
数千円から1万円ほどの収入を得始めた頃を境に、うつ病の症状が回復に向かうスピードも早くなったと感じました。
こういった経験から、僕はお金とうつ病の症状は密接に関係していると断言します。
言い換えると、お金はうつ病の患者にとって、どんな薬よりも効果的な精神安定剤だと思うんです。
お金を与えるとうつ病が治る?
ここにこんな論文があります。
Money and Mental Illness: A Study of the Relationship Between Poverty and Serious Psychological Problems【訳:お金と精神病:貧困と深刻な心理的問題との関係の研究】
こちらはスウェーデンの論文なのですが、研究の結果を簡単に説明すると、
「精神疾患を抱えている人に約9か月間、毎月50ユーロ(日本円で約6,000円)を与えてみたら、与えられなかった比較対象と比べると、不安やうつの症状が減り、また、人間関係が豊かになり、その結果、生活の質が向上した。」
という、なんとも興味深い調査結果があります。
僕はうつ病になった当初は、うつ病を完全に治し、元気になってから働いてお金を稼げば良いと思っていました。
ですので、「お金がなくても大丈夫、完全に治るまでは焦らなくても全然いいんだよ。」というように自分に言い聞かせていました。
しかし、先ほど紹介したように、うつ病は治るまでに長い時間がかかりますし、再発する可能性も高いです。
それに加えて実際は診察や投薬のたびにお金がかかってくるので、入ってくるお金がないのに出ていくお金ばかりの状態が続いていると、そんな悠長なことを言っている場合ではなくなってきます。
もちろん、冒頭でも書きましたが、僕は実家暮らしなので、今すぐにお金に困る状態になるということはないです。
しかし、早かれ遅かれ貯金が尽き、いつかは親も死に家族や親せきも死んでしまうことで、僕は貧乏まっしぐらな生活になると思うと、本当に当たり前のことなんだけど、「お金」というのはすごい大切というか、人が生きていくうえで切っても切り離せない、とても重要なものなんだなあと感じるようになりました。
「仮にうつ病が一生治らなくても、そして親や親せきが死んでしまっても、生活に必要なお金さえ最低限あれば僕は生きていけるんだ。」
だから僕にとっての「お金」とは、他の何よりも心の安定につながる精神安定剤のようなものなんだなと思うのです。
やっぱり世の中「お金」がすべてなのか・・・?
こんなことを言うと、「世の中金じゃねぇ!」という声が聞こえてきそうですが、僕はそういう考え方も間違ってはいないと思います。
価値観は人それぞれだし、たしかに愛や想い出なんかはお金では買えませんからね。
しかし、僕のような貧乏人、しかも、うつ病の患者が、「世の中金じゃない!」と言ったところで全然説得力がないですし、だいたい現実問題として、今後の生活のことを考えると、そんなきれいごとを言っている場合ではないと思うんです。
僕の考えはこうです。
あくまで「世の中金じゃない!」という言葉は、言った本人が意識している・していないにかかわらず、最低限の満足できる生活が保障されており、当面はお金に困ってなくてすでに安心感を得られている状態の人が言うことだと思います。
うつ病になって一度職を失い、収入源が完全に閉ざされてしまった経験のある僕は、
「やっぱり世の中まずはお金だ、お金がないと生きていけない。愛や想い出はお金が満たされて初めて語ることができるのだ。」
と強く思うようになったわけです。
そんな中、僕は在宅ワークに加えてブログを書き始め、そのうちお小遣いレベルのお金を毎月得られるようになりました。
ただ、在宅ワークを始めてすぐの頃やブログを始めてから2~3ヶ月ぐらいの期間は、収入といっても子どものお小遣いにも満たないまさに雀の涙程度の収入だったので、精神的にはあまり変化がなかったのは事実です。
しかし、ブログを書き続け、数千円~1万円を越えるようなまとまった額のお金が毎月手に入れられる状態になった時期とを比べると、気持ちの面では収入がなかった時と全然違います。
また、収入先を一つに依存するだけでなく、分散させることも意識しました。
ブログや在宅ワークの他にも、お金を得る手段として、ポイントサイトやアンケートのモニターにも複数登録して、体調の良いスキマ時間に並行して取り組んでみたのです。
今はネットの証券会社で口座を開設し、少額ですが積み立ての投資信託にも挑戦しています。
このように収入額や収入先がだんだんと増えてくるようになったことで、以前よりも心に余裕を持てるようになったというか、以前よりもお金についての不安が解消され、リラックスできる時間も増えたような気がするんです。
「うつ病がひどくて外で働けなくてもお金は稼げるんだ・・・!」
こういった経験は僕のこれまでの「お金に対する価値観」を大きく変えるきっかけとなってくれ、僕の人生にとっては大きな収穫となった出来事でした。
このようなお金の稼ぎ方は、うつ病になって収入が途絶えていなかったら経験することはなかったと思いますし、外で働く以外のお金の稼ぎ方を知って実際に実践してみたことで初めて気づいたことでした。
うつ病を治すのが先か、貧乏から抜け出すのが先か
こうなると、気になってくるのは「うつ病を治すのが先か、それとも貧乏から抜け出すのが先か」ということだと思います。
ですが、僕はこれまでの経験から、「貧乏が解消されるにつれて、うつ病もだんだん快方に向かっていくのでは」と思うようになってきました。
先ほども書いたように、うつ病になってすぐの僕は、
「完全に元気になって普通に働けるようになってからお金を稼いでいけばいいじゃないか。」
と思っていました。
しかし、それはどうも逆なようで、
「お金がないからいつまでも不安になってうつ病は治らない、むしろお金が減っていくことで不安感が増していき、余計にうつ病がひどくなってしまうのではないか。」
と最近は思っています。
やはり、全部とは言いませんがうつ病をはじめとした精神疾患というものはお金に左右される部分も多くあり、実際に収入が増えて貧乏な状態が解消されると、それに比例してうつ病の症状、特に抑うつ・不安などといった精神的な症状は良くなっていくのでは・・・
というのが僕のこれまでの体験を踏まえて言えることです。
お金を稼ぐ手段は雇われるだけではない
ただ、お金が入ってくるようになるとうつ病の症状が落ち着いてくると言っても、僕はうつ病の辛い症状で苦しんでいる人に「働いてお金を稼いだ方がいいよ」と安易にアドバイスすることはできません。
僕自身も過労、つまり働き過ぎが原因でうつ病になった身ですし、こうしてある程度回復した今でも外で働くことには恐怖さえも感じているので、いきなり外に出て働くのはよしてください。
というのも、現代はインターネット技術の発達により、外に出て働かなくてもお金を稼ぐ手段はいくつでもあります。
例えば、僕も以前やっていたものとして、先ほども少し紹介した、パソコンやスマートフォン、それにネット環境があれば自宅で仕事が請け負える「クラウドソーシング」といった在宅ワークもあります。
また、スマホで広告を見たり簡単なアンケートに答えたりすることで謝礼として現金に交換できるポイントが稼げる「ポイントサイト」や「アンケートモニター」などの仕事もあります。
そして、少し難易度は上がりますが、僕のようにブログを開設し、そこで文章を書いて広告収入を得ることも可能です。
ただ、ブログで稼ぐとなると簡単そうに見えてもある程度の勉強は必要ですし、読者が読んで役に立つ内容でないと稼ぐことはできません。
それに初めての収益が出るまでにはタイムラグもあり時間がかかります。
そこでうつ病を少しでも早く回復に近づけたいと思う人に僕が一番おすすめする方法は、外で無理して働くことではなくて、まずは1円でもいいので外で雇われなくてもお金を稼ぐ経験をすることです。
今まで雇われずにお金を稼ぐ経験がない人がお金を稼ぐ経験をするのにおすすめなのは、先ほども紹介した在宅ワークができるクラウドソーシングやポイントサイト、それにアンケートモニターです。
これらの仕事は極端な話、ベッドで横になりながらでもスマホをいじるだけで作業ができますし、アルバイトのように出勤する日も決まっていません。
ですので、体調の良い日に作業をして調子の悪い日は療養するというように、自分の体調のペースに合わせて仕事ができるので、うつ病の患者にはピッタリです。
1円でもお金を自分の力で稼ぐことができれば、それは立派なビジネスですし、これらのビジネスの良いところは自分の頑張り次第で収入がいくらでも増やせるところです。
僕の経験からすると、自分でお金を稼げる面白さにハマると、うつ病は半分治ったのと同然です。
ですので、お金を稼ぎたくてもうつ病の症状のせいで外で働けずに困っているならぜひチャレンジしてみてくださいね。
最後に
今回は、うつ病とお金の関係性について、実際にうつ病になった筆者自身が感じたこと、そしてうつ病患者のお金の稼ぎ方を中心にまとめさせていただきました。
うつ病だと、通院にもお金がかかってくるので、病気との闘いは実はお金との闘いにもなります。
もちろん、自立支援医療制度などの医療費の自己負担を軽減する国の制度もありますが、少しの額の収入でも入ってくるお金があれば心には大きな余裕や安心感が生まれます。
うつ病だと外で働き続けるのは難しいですが、今は外に出なくても自分のペースでできる方として、在宅ワークやポイントサイト、それにブログの運営といった方法でもお金を稼ぐことはできます。
しかも、そういった方法を駆使して自分の力でお金を稼ぐ経験をすることで、お金を得るだけでなく大きな自信を得るのにもつながります。
そして、そこで初めてお金を稼いだ経験はきっとあなたに大きな希望を与えてくれます。
当記事を通じて、「雇われるだけがお金の稼ぎ方ではない」ということを知っていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。