クレジットカードのキャッシング枠や質屋の利用などの方法は、審査なしでお金を借りることができます。
しかし、カードローンやフリーローンなど、金融機関や消費者金融からお金を借りるには、各機関が設けている審査を通過しなければ融資が受けられません。
審査を実施する目的は、貸し倒れリスクの回避を図ると同時に、借り手が収入額の範囲内で無理のない借入を希望しているかを確認するために行っています。
今回は、お金を借りる過程で審査が行われる理由や審査の評価基準、そして審査に落ちてしまう人の特徴を紹介します。
お金を借りる過程で審査が行われる理由とは
消費者金融や都市銀行などの金融機関が、お金を借り手に貸す過程で審査を行うのは、貸金業法に審査義務が明記されているためです。
貸金業法は、借り手を過度な借入から守る目的で施行された法律で制定されています。
また法律で決められている以外にも、以下のような理由で審査を行っています。
ここからは、お金を借りる過程で審査が行われる理由を貸金業法の内容を含めて解説します。
返済能力を見極めるため
ローン会社は、貸し出したお金が計画通りに返済されるかどうかを確かめる必要があります。
このため、申込者の年収や継続的な収入、家族構成などの情報を基に、返済能力を評価します。
これにより、借り手の経済的な負担を適切に把握し、財務的な困難を未然に防ぐことができます。
総量規制の遵守
貸金業法によって定められた総量規制は、「年収の3分の1を超える貸し付けはできない」というルールです。
この規制は、借り手が過度な借入によって返済に困らないようにするために設けられています。
審査を通じて、申込者が既にどれだけの借入をしているのかを確認し、総量規制の範囲内での貸し付けを行うことが必要です。
借り手と貸し手の双方を守るため
審査を適切な形で実施することで、借り手は無理なくお金を返済できる状況が築けます。
また適切な審査は貸し手が背負うリスクの発生確率を下げる施策になると同時に、貸し出したお金の回収がスムーズに行えます。
つまり、審査を行うことで、双方の利益が保護され、健全な貸借関係が維持できます。
審査を受けてお金を借りる方法
ここでは、消費者金融や金融機関などの各機関からお金を借りる方法について紹介します。
なお、これから紹介する方法を利用する際は、必ず、借入審査を通過しなければなりません。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカードに付随するキャッシング機能を利用する方法は、手軽で迅速な資金調達が可能です。
ATMを通じて、クレジットカードのキャッシング枠内で現金を引き出せます。
特に緊急時に便利ですが、利用限度額が一般的に低く設定されており、また金利が高めであることがデメリットとして挙げられます。
利用後の返済計画を事前にしっかり立てることが大切です。
銀行のカードローン
銀行のカードローンは、信頼性が高く、比較的低い金利で借り入れが可能です。
審査には時間がかかることがありますが、審査を通過すれば設定された限度額内で繰り返し利用できる利便性があります。
ただし、審査に時間がかかるため、急な資金需要には対応しにくい場合があることを留意する必要があります。
消費者金融
消費者金融からの借入は、迅速な対応が大きな特徴です。
申し込みから融資までの時間が短く、即日融資が可能な場合も多く見られます。
返済期日の選択肢も多く、利用者のニーズに応じた柔軟なサービスが提供されています。
ただし、銀行のカードローンに比べると金利が高いため、返済計画は慎重に立てる必要があります。
低金利で借りる方法
低金利で資金を借りたい方は、JAバンクやろうきん、または銀行のカードローンを検討するのが良い選択です。
これらの金融機関は、比較的低い金利での融資を提供しており、特にJAバンクやろうきんは地域によっては非常に低い金利での借り入れが可能です。
銀行のカードローンも競争が激化しているため、利用者に有利な低金利でサービスが提供されています。
国や自治体の制度を利用
特定の状況にある人々を支援するための国や自治体の制度を利用する方法もあります。
例えば、生活福祉資金貸付制度、求職者支援資金融資制度、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度などがあり、これらの制度は低利または無利子で資金を提供します。
お金を借りる際に審査で見られる内容
お金を借りる過程で行われる審査の内容は、機関によって審査基準が異なるほか、審査に関する情報は公表されていません。
しかし、借入審査では以下のような項目を基に審査が行われるケースが多く、項目の中には、借り手の信用や返済能力に関わってくるものもあります。
ここでは、お金を借りる過程で行われる審査で見られている内容について解説します。
個人情報の確認
ローンの申込では、必ず個人情報の提供が求められます。
これには、住んでいる場所の住所、連絡が取れる電話番号やメールアドレス、年齢(通常20歳以上が必要条件)、そして結婚しているかどうかなどが含まれます。
これらの情報から、あなたがどんな人物か、そして生活が安定しているかどうかをローン会社は判断します。
勤務先と収入状況の確認
ローンの申し込みを行う際、現在の勤務先と月収入あるいは年収を問うことがあります。
主に年間どれくらいの稼ぎを得ているのか、どのくらいの期間その職に就いているか、正社員なのかアルバイトなのかといった雇用形態を知る目的で行っています。
また借り手本人がその職場に在籍しているのかを確かめる目的も兼ねいます。
これらの情報を基に、あなたが毎月安定して収入を得ているか、そしてそれがローンの返済に十分かどうかを判断しています。
居住情報の確認
住んでいる家が自分の持ち家なのか賃貸なのか、どのくらいの期間そこに住んでいるのか、そして家族は一緒に住んでいるのかなど、居住に関する情報も審査には大切です。
これらはあなたがどれだけ生活の基盤が安定しているかを見るために使われます。
借入希望額と借入目的の確認
借りたい金額とそのお金を使用する目的の開示も、ローンの審査には欠かせません。
この情報から、必要な資金の合理性や、その額が妥当かどうかをローン会社は判断します。
過去の信用情報の確認
過去に他の金融機関でローンを組んだ経験がある場合、その際の返済履歴やトラブルの有無などが信用情報機関に記録されています。
これらの情報は、あなたがこれまでどれだけお金に対して責任を持って対応してきたかを示すため、審査において非常に重要視されます。
過去に返済の遅れやトラブルがあった場合、新たなローンの審査に影響を及ぼす可能性があります。
お金を借りる際に審査で落ちてしまう人の特徴
消費者金融や都市銀行などの金融機関からお金を借りたくても、以下のような属性を持つ方や経済状況にある方は審査落ちを期す可能性が高いです。
ここからは、上記で挙げた審査に落ちてしまう人の特徴について解説します。
収入が不安定または少ない人
収入が不安定な人や、借入希望額に対して収入が少ない人は、返済能力に疑問が生じるため、審査に落ちやすくなります。
特にアルバイトや契約社員など、収入が不定期な職業の人は審査通過が難しくなる傾向があります。
他社からの多額の借入がある人
他の金融機関からすでに多額の借入がある場合、返済能力が不足しているとみなされ、新たなローンの審査に通りにくくなります。
特に複数の金融機関からの借入がある場合、返済能力に対する疑問が高まります。
申込情報に虚偽がある人
ローン申込時の情報に虚偽があると、審査に落ちる可能性が高くなります。
例えば、実際の年収より多く申告する、勤務先の情報を偽るなどの行為は、審査の際に発覚すると信用を失う原因となります。
金融事故の履歴がある人
過去に金融事故を起こした履歴がある人は、信用情報に記録されているため、新たなローンの審査に大きく影響します。
延滞や債務整理、破産申立などの履歴は特にマイナス評価の要因となります。
勤務先の在籍確認が取れない人
申込時に記載した勤務先での在籍が確認できない場合、審査に落ちる可能性があります。
勤務先情報は、申込者の経済的な安定性を判断する重要な要素なので、正確な情報を提供することが重要です。
申込基準を満たしていない人
ローンの申込基準は金融機関によって異なり、年齢や年収、勤続年数などの基準を満たしていないと、審査に通ることは難しくなります。
特に高額の借入を希望する場合、これらの基準がより厳しく適用されることがあります。
お金を借りる際の審査に落ちた時の対処法
審査に落ちてしまった理由を問い合わせても原因について教えてくれることはありません。
しかし、審査に落ちてしまった原因ともとらえられる内容の改善が見られれば、審査通過の可能性は高いです。
信用情報を確認する
カードローンの審査に落ちた時は、自分の信用情報を確認してみましょう。
信用情報機関から自分の信用情報を開示請求し、過去の延滞記録や借入総額などをチェックします。
問題点が発見されたら、それを改善することが次の審査通過につながります。
申込間隔を空ける
審査に落ちた直後に再び申込をすると、連続しての申込とみなされて審査に通りにくくなります。
特に、信用情報には申込の記録が6ヶ月程度残るため、次の申込までは最低6ヶ月程度の間隔を空けることが望ましいです。
借入額を見直す
再度、借入のも仕込みを行う際は、希望借入額を見直してみましょう。
月の収入額以上の借入を希望すると、返済の延滞や貸し倒れなどの金融事故を招くのでは危惧されてしまいます。
よって、審査通過の可能性を少しでも上げることを第一に、必要最低限の額に抑えて融資の申し込みを行いましょう。
他社のカードローンを検討する
審査基準はカードローンごとに異なります。
他社のカードローンを検討するのも一つの方法ですが、短期間に複数の申込みを行うと「多重申込み」とみなされてしまいます。
カードローン以外の資金調達方法を探る
カードローン以外にも、資金調達の方法はあります。
例えば、家族や友人からの借入や、クレジットカードのキャッシング機能を利用するなど、審査に依存しない方法も検討してみましょう。
また、不用品の売却などで必要な資金を工面することも一つの手段です。
お金を借りる際は審査基準を満たしたうえで申し込むこと
消費者金融や都市銀行などの金融機関からお金を借りるには、必ず審査を通過しなければなりません。
無論、申込基準を満たせばいいというわけではなく、審査では、貸し手と借り手の双方を守ることを前提に実施されます。
そのため、借り手に返済能力がないや、経済状況的に返済が滞る恐れがあるなど、貸し手側にリスクがあると判断されればその時点でお金を借りることができなくなります。
よって、お金を借りる際は、自身の経済状況や信用情報など、審査で確認されるであろう項目に傷がないかを確認したうえで借入の申込を行いましょう。