カードローンを利用する場合、金利と限度額はもっとも重視したいポイントです。
とくに限度額はできるだけ余裕のある額が理想です。
ただ、カードローンを契約して利用実績がない段階では、ほとんどのカードローンで余裕のある限度額は設定してもらえません。
では、カードローン利用中にどんな条件を満たせば限度額をアップしてもらえるのでしょうか?
また、限度額を増枠してもらえない人にはどんな共通点があるのでしょうか?
この記事ではカードローンの「限度額の決まり方」や「限度額増額のコツ」について、詳しく解説していきたいと思います。
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カードローン借り入れ限度額の決まり方
まず、最初にカードローンの限度額はどのようにして決まるのか、いくつかの視点から見ていきます。
総量規制がポイント
限度額が決まるうえでもっとも大切なポイントは「総量規制の範囲内かどうか?」という点です。
消費者金融のカードローンは総量規制の対象となりますので、カードローンの借り入れ額合計は「年収の三分の一以内」になっている必要があります。
そのため、実際の借り入れ額はともかく、カードローンの審査では「利用中の消費者金融カードローンと新規契約予定のカードローン限度額の合計が年収の三分の一以内になっているかどうか?」という点が重視されます。
たとえば、年収300万円の人の三分の一は100万円ですので、すでに他社カードローンで50万円の限度額がある場合は、実際に50万円まで借りていなくても新規契約するローンの限度額は、最高でも50万円を超えることはありません。
(銀行カードローンは総量規制の対象外となります)
最初の限度額は年収の10~15%
ただ総量規制の範囲内だからといって、すべてのケースで年収の三分の一ギリギリまでの限度額が設定されるかというと、実はそうではありません。
カードローンをはじめて契約する場合、ほとんどのケースでは年収の10~15%程度の限度額が設定されます。(他社借り入れ額がない場合)
たとえば、他社消費者金融などの契約がない年収300万円の人が、消費者金融に新規申し込みする場合、初回限度額は30万円~50万円になるケースがほとんどです。
限度額が少ない人に共通する特徴
カードローンの契約時に希望限度額が設定されない場合、いくつかの共通点があります。
他社借り入れが多い
この点は繰り返しになりますが、消費者金融のカードローンでは総量規制の範囲内でしか融資されませんので、他社借り入れが多ければ多いほど新規契約するカードローンの限度額は低くなります。
なお、銀行カードローンは総量規制の対象ではありませんが、昨今の銀行カードローン過剰融資の問題をうけて、ほとんどの銀行では自主規制で年収の三分の一、または二分の一までしか融資してくれません。
また、実際には借りていなかったとしても、限度額が設定されている時点で「お金を借りる可能性がある」と判断されてしまいますので、実際の他社借り入れ額よりも「他社の限度額」が優先されて、新規カードローンの限度額が決まります。
年収が少ない、または安定していない
年収が多ければ多いほどカードローンの限度額は増えますが、年収と限度額は単純に比例するわけではありません。
いくら年収が多くても毎月安定した収入がない人は、限度額アップは望めません。
消費者金融や銀行は審査時に利用者の返済能力を審査し、その返済能力に見合った限度額を決めるわけですが、その審査でもっとも重要視されるのは年収の高さより「収入の安定性」です。
たとえば、いつ収入が入ってくるかわからないが、年に数回多額の収入がある年収500万円の画家と、毎月安定した収入がある年収300万円のサラリーマンとでは、ローン会社はサラリーマンのほうを優良顧客と判断します。
他社借り入れを延滞している
カードローンの審査時には信用情報機関の情報が確認されますが、信用情報機関に他社借り入れの延滞履歴が残っている場合は「返済リスクがある」と判断され、限度額が10万円以下になったり最悪のケースでは審査落ちします。
多重申し込みをしている
消費者金融のカードローンや銀行カードローンを複数同時申し込みしている場合も、限度額が下がることがあります。
短期間で4社以上のカードローンに申し込んでいるような人を「申し込みブラック」と呼びますが、一度に多数の申し込みをしている人は「かなりお金に切羽詰まった人…」という判断となり、返済不能になる確率が高い人に分類されてしまいます。
返済不能のリスクが高い人には、審査通過しても少額しか融資されませんので、できれば同時申し込みは2~3社程度にとどめておくのが無難でしょう。
限度額アップの4つの条件
カードローンの初回契約時には希望の限度額が設定されなくても、以下の4つの条件を満たしていればカードローン利用中に「限度額の増額」が可能です。
最低1年利用してから増額申請
カードローンの限度額を増やしてもらうためには、以下の二つの方法があります。
- カードローン利用中に自分で増額申請をする
- ローン会社から増額案内が来るのを待ってから、増額申請する
ただ限度額の増額で注意しないといけないのが「増額のタイミング」です。
ローン会社から案内が来る場合は別ですが、自分で増額申請する場合は最低でもカードローン契約後6ヶ月以上経過してから申請するようにしてください。
なぜなら、6ヶ月未満で増額申請してもローン会社としては利用者の信用度がわからないからです。
ちなみにローン会社からメールや電話で「限度額アップのご案内です」という内容のお知らせが来るケースがありますが、この場合でも増額審査でNGとなるケースはいくらでもあります。
ローン会社としては案内を出す時点では利用者の信用調査をしておらず、単純にカード利用期間や返済状況のデータベースをもとに案内しているだけですので、実際の審査は別におこなわれるのです。
限度額ギリギリまで借りない
たとえばカードローンの限度額が50万円の場合、限度額いっぱいの49万円まで借りている…という方も多いかと思いますが、実は限度額増額の申し込みをする場合、限度額ギリギリでの借り入れは審査に不利になります。
ローン会社としては限度額をアップして、より多くのお金を融資して利息を稼ぐ…というのが理想的ではありますが、常に限度額いっぱいまで借りているような返済リスクが高い人までは融資をしません。
また、毎月利息だけを返済しているような人や、カードローンで借りたお金で返済しているような人も限度額審査には落ちてしまいます。
毎月きちんと返済する
この点は当たり前のことですが、毎月の返済が遅れがちの人や1ヶ月以上延滞しているような人は増額審査にはとおりません。
「年に数度1日~2日程度の返済遅れがある」というのは、誰にでもありえることです。
しかしカードローンの増額審査においては、1日たりとも延滞しないことが理想ですので、毎月の返済は絶対に遅れないようにしましょう。
他社借り入れ件数を減らす
「増額審査にとおりたいなら他社借り入れを減らしておく」ということも重要なポイントです。
もっと借りたいから増額申請するのであって「他社借り入れを返済するのは難しい…」というのはわかります。
ただ、カードローンの増額申請はローン新規申し込みの審査時と同じで、他社借り入れ件数や借り入れ額が多いと審査通過が難しいのが実情です。
したがって、借り入れ額の返済は無理だったとしても、2社以上カードローンを契約している場合は、1社にまとめるなどしてから増額審査に申し込むと、増額審査の通過率は高くなります。
増額申請して限度額が減るって本当?
カードローンの増額審査に申し込んだ場合、実は「限度額を減らされてしまう」というリスクもあります。
勤務先が変わった
カードローンの増額申請をした場合、以下の内容の再確認がおこなわれます。
このなかで、勤務先が変更になることにより一時的に収入が下がった場合、限度額の増額をしても逆に「減額」という最悪のケースに至ることがあります。
金融機関や消費者金融会社によっては、増額審査の際に収入証明書の提出を義務付けているところもありますので、提出した源泉徴収票などでカードローン申し込み時より著しく年収がダウンしている場合は要注意です。
総量規制ギリギリまで他社で借りている
カードローンの増額審査に申し込んだ場合、消費者金融や銀行はあらためて信用情報機関の調査をおこないます。
そこで他社借り入れ状況をチェックして、限度額をアップしても返済できるかどうかを判断するわけですが、他社借り入れ額がすでに総量規制ギリギリまで到達しているような場合や、すでに借り入れ額が年収の三分の一を超えているような場合も限度額がダウンしてしまいます。
ちなみに、限度額の増枠については審査通過時にお知らせが届きますが、限度額の減額については事前通知なしのケースがほとんどですので、増額申請をしたときには限度額を減らされていないか、よく確認するようにしましょう。
たびたび延滞している
毎月の返済が遅れがち…という人も、増額審査のタイミングで限度額が減額されることがあります。
とにかく返済遅れは百害あって一利なしです。
いま契約しているローンの増額にも影響しますし、他社ローン契約にも悪影響を及ぼしますので、くれぐれも返済は毎月きちんと遅れないようにしましょう。
ローン会社から増枠案内が来ることも
さきほど限度額増額の方法として「ローン会社からの案内を待ってから増額申請する」ということをお伝えしました。
ここからは「ローン会社から増額案内が来る人に共通するポイント」について見ていく事にします。
堅実な利用を心がける
カードローンを堅実に利用している人には、限度額アップの増額案内は届きやすくなります。
また、カードローンを利用中は毎月の返済を遅延なくおこなうだけではなく、以下のような点も心がけておくことをおすすめします。
<ローン会社から増額案内をもらうコツ>
- 限度額ギリギリまで借りない
- 利息のみの返済だけではなく、毎月の最低返済額以上を返済する
- 余裕のある月は繰り上げ返済を心がける
- 他社借り入れを増やさない
- 昨年より年収をアップさせる
他社からの借り換えを相談する
以上のほかにも限度額増額をしてもらうために「他社からの借り換えを相談する」という方法もあります。
消費者金融も銀行も、より返済能力が高い優良顧客を1件でも獲得するのに躍起になっています。
他社借り入れがある場合は、その借り入れをまとめることを条件に増額相談をしてみることをおすすめします。
返済能力を超えた増額申請はやめよう
消費者金融は、総量規制により年収の三分の一を超えての借り入れはできません。
しかし銀行カードローンについては、過剰融資が問題視された後も年収の二分の一程度までなら限度額が設定されるケースがあります。
しかし、年収の三分の一を超えると、いくら金利が低くても毎月の返済はかなり難しくなります。
「いざというときのために余裕のある限度額を持っておきたい」という気持ちはわかりますが、年収に見合った限度額になるよう、増額申請は慎重に行いたいものですね。