「失業してしまい、当面の生活費がない」
「無職だけど、どうしてもお金を借りたい」
定職に就いていて収入がある人ならまだしも、無職の人はそもそもの収入源がないわけですから、「消費者金融や銀行でなんとかキャッシングできないか?」と考えるのは当然のことです。
しかし、ローンを扱う金融機関のほとんどは無職の人には融資をおこないません。
では、なぜ無職だとローンを利用できないのでしょうか?
また、一般的に「無職の人」とはどんな人のことを指すのでしょうか?
今回の記事では、無職の人がキャッシングするケースについて詳しく見ていきたいと思います。
無職でもキャッシング審査は通過できる?
無職の人がお金を借りる場合、ほとんどの人は「消費者金融のカードローン」や「銀行カードローン」に申し込むと思います。
では、各々のカードローンでは実際のところ無職の人に融資をしているのか、その実態から見ていくことにします。
大手の消費者金融
大手の消費者金融といえば「プロミス」や「アイフル」、「レイクアルサ」などが有名ですが、大手消費者金融は無職の人への融資はおこなっていません。
ちなみに、以下は大手消費者金融の利用条件を表にしたものですが、各社とも「安定した収入があること」という条件を設けていますので、無職で定期的な収入がない人は申し込むことすらできません。
【大手消費者金融の利用条件※公式サイトより一部抜粋】
消費者金融会社名 | 利用条件 |
---|---|
プロミス | 年齢18歳以上、74歳以下のご本人に安定した収入のある方※ |
アコム | 成人以上のご本人に安定した収入のある方 |
レイクアルサ | 満20歳以上70歳以下の方で安定した収入のある方 |
アイフル | 満20歳以上69歳までの定期的な収入と返済能力を有する方 |
SMBCモビット | 満年齢20歳以上74歳以下の安定した収入のある方 ※収入が年金のみの方はお申込いただけません |
※お申込時の年齢が18歳および19歳の場合は、収入証明書類のご提出が必須となります。
※高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)はお申込いただけません。
※収入が年金のみの方はお申込いただけません。
ちなみに、大手消費者金融が融資の際に重要視するのは、年収が高いかどうかではなく「いかに毎月安定した収入があるか」という点です。
そのため、無職の人の中には「年に数回はアルバイトやギャンブルなどで収入がある」という人も居るかもしれませんが、そのような人は収入が安定していないと見なされ、審査には落ちてしまいます。
中小の消費者金融
「大手消費者金融ならともかく、中小の消費者金融なら無職でも審査にとおるかも?」と思っている方がいますが、実は中小の消費者金融でも無職の人が利用できるローン会社はありません。
よくインターネットの口コミサイトなどでは「収入がないのに審査にとおった」という内容の情報を見かけることがありますが、貸金業者は無職の人に融資をすると法律違反になりますので、絶対にそのようなことはありません。(貸金業法で定められた法律については、このあと詳しく解説します)
銀行カードローン
銀行カードローンについても、無職の人は利用できません。
下記は、代表的な銀行カードローンの利用条件を一覧表にしたものですが、どの銀行の条件を見ても「安定した収入があること」という記載がありますので、無職の人は申し込むことすらできません。
【銀行カードローンの利用条件※公式サイトより一部抜粋】
消費者金融会社名 | 利用条件 |
---|---|
三井住友銀行カードローン | 原則安定したご収入のある方 |
三菱UFJ銀行バンクイック | 原則安定した収入があるお客さま |
楽天銀行カードローン | 原則、毎月安定した定期収入のある方 |
イオン銀行カードローン | ご本人に安定かつ継続した収入の見込める方 |
無職の人にお金を貸すと法律違反
さきほど「貸金業者は無職の人に融資をすると法律違反になる」ということを述べましたが、その点について詳しく解説したいと思います。
貸金業法の決まりごと
アコムやプロミスなどの大手消費者金融、さらにはフクホーやエイワなどの中小消費者金融はすべて「貸金業」としての登録を受けた正規のローン会社です。
これら正規のローン会社は「貸金業法」という法律にのっとって金融業を営んでいるわけですが、この貸金業法の中には以下のような決まりがあります。
【貸金業法で決められたルール】
(返済能力の調査)第十三条 | 貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。 |
---|---|
(過剰貸付け等の禁止)第十三条の二 | 貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合において、前条第一項の規定による調査により、当該貸付けの契約が個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない。 |
上記の法律を見ると「貸金業者は契約者の返済能力を超えた融資をしてはならない」と明記されていますので、無職の人は返済能力がないわけですから、審査で無職であることがわかると消費者金融各社は融資ができないことになります。
銀行への金融庁の指導
一方、貸金業法の規制を受けない銀行では、無職の人に融資をおこなうこと自体は法律違反ではありません、
しかし、昨今の銀行カードローンの過剰融資を金融庁も問題視しており、下記銀行協会のサイトにもあるとおり、銀行としても自主規制として「無職で収入のない人への融資はしない」ということを申し合わせています。
参考:一般社団法人全国銀行協会 銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせより
無職と認定される条件
無職の人がローンが利用できない理由についてはご理解いただけたかと思います。
では、そもそもカードローン申し込み時に審査NGとなる「無職」と人とは、どのような人のことを指すのでしょうか?
無職の人の中には「定職に就いてはないが、返済には問題ない」というケースもあるかもしれませんので、あらためて無職と呼ばれる人の条件について見ていきます。
勤務先がない
カードローンの申し込み時には、本人情報として「勤務先名」や「勤務先住所・連絡先」を申告する必要がありますが、その欄に記入ができない人…、つまりどこの会社にも勤務していない人は「無職」として扱われます。
また自営業であってもきちんとした会社名や屋号を申告できない場合は、無職になってしまいます。
消費者金融や銀行カードローンの場合、審査時には在籍確認といって職場に電話が入ります。
勤務先の電話番号を記載できない時点で在籍確認もできないわけですから、当然審査にとおることもできません。
専業主婦・主夫である
無職の人のなかには「自分は無職だが、配偶者には収入があるので問題ないのでは?」と思う方がいますが、カードローンの申し込み者本人に収入が無い場合は、いくら配偶者に収入があっても「無職」として扱われてしまいます。
ただ、ローン会社によっては配偶者に収入があることを条件に融資が受けられるところもあります。
これを配偶者貸付制度と言いますが、この点については後ほど詳しく解説します。
年金受給者
収入源が年金のみ…という場合も、収入はありますが「無職」として扱われます。
なお、大手消費者金融の場合は融資条件として69歳までとしているところがほとんどですし、年金収入のみでは融資不可としている金融機関がほとんどですので、年金受給者も審査通過が難しいのが実態です。
しかし、中小の消費者金融などでは年金受給者でも融資してくれるところがありますので、すべてのローン会社がNGというわけではありません。
フリーランスは収入証明書があれば審査通過可能
「会社員ではないが、フリーランスで仕事をして毎月安定した収入がある」という方も多いと思いますが、フリーランスの場合は無職ではありません。
たしかにどこかの会社に勤務しているわけではありませんが、フリーランスとして働いている人も増えてきており、確定申告書の控えなど収入証明書が提出できる場合は、審査には問題ないケースがほとんどです。
ただし、フリーランスとしての収入があまりにも少なかったり、毎月の収入が安定しない場合は、審査落ちするか限度額が下がる可能性があります。
無職の人がお金を借りるためにやるべきこと
では、無職の人がどうしてもお金を借りたい場合は、どのような方法があるのでしょうか?
とにかく働きはじめる
無職の人がお金を借りたい場合は、基本的にどこの消費者金融も銀行も融資をしてくれませんので、とにかく「勤務先」として申告できる会社に勤めることが先決です。
ほとんどの消費者金融や銀行は、正社員だけではなくパートやアルバイト、さらには派遣社員などでも融資をしてくれますので、週3~4日の勤務でもかまいませんから、きちんとした会社に勤めることからはじめてください。
勤続年数は何年必要?
ただ、勤務先が見つかったからといって、入社してすぐにカードローンに申し込んでも、審査通過は難しいでしょう。
カードローンの審査通過に有利な勤続年数については、「理想は3年」「最低でも6ヶ月以上」と言われていますので、少なくとも半年間は勤務してからローンに申し込むようにしてください。
ローン会社によっては借り入れ額が50万円以下でも、審査結果次第では収入証明書の提出が求められるケースがあります。
入社してすぐは給与明細も源泉徴収票もありませんので、結果として審査落ちしてしまう可能性が高くなります。
派遣登録だけでも審査にとおる?
さきほど「派遣社員でもカードローンに申し込める」ということをお伝えしましたが、なかには「派遣会社に登録さえすれば申し込めるのでは?」と思う方がいます。
しかし、ローン申し込み時にはオペレータから勤務先に関する質問がおこなわれますし、在籍確認もローン会社によっては派遣元と派遣先の両方に確認するところがあります。
したがって実際に派遣先で働いていないなら、カードローンの申し込みは控えたほうがいいでしょう。
無職の人がキャッシングに申し込むときのNG行為
ここからは無職の人がどうしても融資をうけたいがために陥りがちなNG行為について、いくつかご紹介します。
アリバイ会社を使った申し込み
ひとつ目は「アリバイ会社」を使って、虚偽の勤務先申告をするという方法です。
アリバイ会社とは、勤務をしていない架空の会社名で在籍確認などの対応をしてくれる会社のことを指します。
一見すると「返済に問題がないなら、別にいいのでは?」と思ってしまいますが、虚偽の申告をすること自体NG行為ですし、万一勤務先が嘘だったことがローン会社に知られると、カードローンは強制解約されて残債は一括返済を求められることになります。
消費者金融や銀行の審査部門も、アリバイ会社のリストなどを作って対応していますので、嘘は見破られる可能性は高いと言えます。
虚偽の申し込みは、信用情報に傷を付けるだけではなく、法律にも抵触する可能性がありますのでアリバイ会社は絶対に利用しないようにしましょう。
知人の電話を勤務先と偽る行為
「友人の家の電話番号や携帯電話を勤務先として申告し、口裏を合わせてもらう」という方法も、無職の人にはありがちなことですが、この方法も正直おすすめはできません。
この方法で勤務先を偽って申告した場合、消費者金融などは以下の方法で嘘を見破ります。
- 法人としての電話番号登録があるかどうか調査する
- 会社のホームページの存在を確認する
- 勤務先に関する情報を電話で確認し、つじつまが合っているかどうか確認する
消費者金融や銀行の審査担当者もその道のプロですので、安易な嘘はすぐに見破られてしまいます。
とにかく勤務先に関する虚偽の申告はやめたほうが無難です。
どうしてもお金が必要な場合は
無職だけどどうしてもお金が必要…!
そんな時は、すぐにでも働きだせるアルバイトに申し込むことも、一つの手です。
大手消費者金融の場合、学生やアルバイトでも融資を行っているため、仮にアルバイト1日目であったとしても仕事さえあれば審査に通過できる可能性が高いです。
そのため、どうしてもキャッシングを利用したい場合は、すぐにでも始められるアルバイトを始めてしまったほうが、怪しい闇金を利用するよりかはよっぽど安全なやり方です。
公的な機関を利用するとなると、申し込みや審査で多くの時間を取られてしまうことを考慮しても、この方法が一番手っ取り早いと言えるでしょう。
ここでは、アルバイトなどでも申し込みが出来るオススメの消費者金融をご紹介していきます。
プロミス
プロミス概要 | |
---|---|
商品名 | プロミス |
利用限度額 | 500万円まで |
金利 | 4.5%~17.8% |
担保・保証人 | 不要 |
遅延損害金 | 20.0% |
プロミスは自分自身に収入があれば申し込みが可能なため、アルバイトでも申し込みが可能な消費者金融です。
WEB完結申し込みでスマホで申し込みから手続きまで完了する点も、利用しやすいキャッシングと言えるでしょう。
アイフル
アイフルの概要 | |
---|---|
商品名 | アイフル |
審査時間 | 最短18分 ※お申込み時間や審査状況によりご希望に添えない場合があります。 |
利用限度額 | 800万円 |
金利 | 3.0%~18.0% |
無利息期間 | 初回利用日(初回契約日翌日)から30日間 |
担保・保証人 | 不要 |
Web完結 | 可能 |
電話での在籍確認 | 原則なし |
申し込み可能年齢 | 20歳~69歳 |
遅延損害金 | 20.0% |
アイフルも本人に収入があれば申し込みが可能なサービスです。
大手の中でもベーシックな商品内容のため、安心してお金を借りることができるでしょう。
無職でもお金を借りる方法
最後に無職の人でもお金を工面する方法について、いくつかご紹介します。
①公的支援
どうしても職に就けずにお金に困っているなら、地域の福祉協議会が取り扱っている「福祉資金」や「緊急生活支援融資」が利用できます。
ただし、福祉協議会の融資は「職が見つかって生活再建の目途がたっている」ということが条件になりますので、完全な無職の場合は生活保護を検討するほうがいいかもしれません。
また、職業訓練校に行きながら給付金を受け取るという方法もありますので、詳しくは下記参考サイトをご覧いただければと思います。
参考:福祉協議会の生活福祉資金より
参考:職業訓練受講給付金より
②配偶者貸付制度
この点はさきほど簡単に触れましたが、消費者金融のなかには「配偶者貸付制度」といって配偶者に収入があれば融資を申し込む方法があります。
ただ、この「配偶者貸付制度」を利用してローンを組む場合は、配偶者の同意書が必要になりますし、配偶者の収入証明書を提出するように求められますので、夫や妻に無断でこの制度を利用することはできません。
③生命保険の契約者貸付制度
積み立て型で満期返戻金がある保険に加入している場合は、生命保険の契約者貸付制度を利用して融資を受ける方法もあります。
生命保険の契約者貸付制度は、もともと自分が積み立てたお金の中から融資を受けますので、信用情報機関の調査もありませんし、勤務先への在籍確認もありません。
そのため条件さえ満たせば、無職でも契約者貸付制度は利用できます。
ちなみにこの制度を使って融資を受ける場合、ほとんどの保険会社では2~3%程度の「低金利融資」を受けられますので、返済負担もおさえられます。
さらに、万一返済できなかった場合は、将来もらえる満期返戻金から相殺されるだけですし、最悪のケースでも保険を解約してしまえば何のペナルティーもありませんので、もっともリスクの低い借り入れ方法と言えます。
カードローンの利用は返済能力がついてから
ここまで無職の人がローンを組めない理由や、無職の定義、さらには無職の人がお金を借りる方法について解説しました。
無職の人の場合、当面の生活費にも困るケースが多く「なんとかして融資を受けたい」という気持ちになるのは理解できます。
しかし、ローンを利用する場合は「審査にとおるか?」「いくらまで借りられるか?」ということよりも、「きちんと毎月返済できるか?」ということの方が重要です。
無職の状態で無理をしてローンを組み、結果として返済不能に陥って債務整理を余儀なくされた…ということのないように、とにかくカードローンを利用する場合は自分の返済能力を慎重に検討してから申し込むことが大切です。
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